2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞由来間葉系幹細胞を用いた骨再生療法の確立
Project/Area Number |
17K10967
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
李 相亮 昭和大学, 医学部, 講師 (40533732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 隆宏 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (40448171)
福井 友章 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (50437688)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 骨再生 / 軟骨内骨化 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫不全マウスの橈骨の骨幹部の骨を2 mm取り除く骨欠損モデルを作製した。 Direct-plating法を用い、ヒトiPS細胞(201B7株および454E2株)から間葉系幹細胞(MSC)類似細胞へin vitro下に分化誘導し凍結保存していた細胞を解凍し、継代後、軟骨分化誘導培地を用いて3次元培養にて3週間の軟骨分化を行い、軟骨細胞ペレットを得た。また、継代した同MSC細胞を骨分化誘導培地にて3週間の骨分化を行い、得られたシート状の骨芽細胞を剥離回収し、骨芽細胞ペレットを得た。橈骨骨欠損部に、軟骨細胞ペレットを移植する軟骨細胞移植群、骨芽細胞ペレットを移植する骨芽細胞群、生食を移植する対照群の3群に分け、骨再生能を評価した。 8週後にX線学的評価(micro CT)を行ったところ、軟骨細胞移植群にて100%の骨再生率を認めたが、他の2群では18%以下の骨再生率であった。組織学的評価では、移植後8週で軟骨細胞移植群は良好な骨再生・remodelingを認めたが、他の2群では骨欠損部において線維性組織の介在を認め、骨再生は不良であった。すべての群において、腫瘍化は認めなかった。移植2週後の骨欠損部周囲の毛細血管密度は,骨芽細胞移植群・対照群と比し,軟骨細胞移植群で有意に高値を示した.以上より、iPS細胞由来軟骨細胞移植によって、軟骨内骨化と類似した過程を経て,骨欠損部の骨再生が起きることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPS細胞由来軟骨細胞移植により良好な骨再生が達成できることが本年度に示されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
骨欠損部の遺伝子学的評価(PCRにて骨・軟骨分化関連およびヒト固有マーカーを評価)、CTパラメーター評価による骨再生部の骨密度評価、そしてdonor/host由来の骨再生の評価を検討することで、骨再生のメカニズムを検証予定である。
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Causes of Carryover |
他の研究費を用いて動物実験およびassayを行ったため、予定よりも物品費が下回った。想定よりも学会発表回数が多かったため、旅費が想定よりも上回った。 翌年度は、骨再生評価のための試薬を購入し、また研究成果発表の旅費および学会参加費(その他)に助成金を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)