2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of expression and function of urea transporter UT-B in chondrosarcoma
Project/Area Number |
17K10972
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐々木 裕美 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (60773380)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 真吾 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (60353463)
永野 聡 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50373139)
小宮 節郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30178371) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | SLC14A1 / UT-B / 尿素 / 軟骨肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
軟骨肉腫細胞株SW1353においてSLC14A1(UT-B)をsiRNAノックダウンすると、WST assayで評価する細胞増殖が著明に抑制された。SLC14A1の発現は、内軟骨腫に比べて軟骨肉腫で減少する事を確認しているが、したがってcell growthから観る悪性度については、SLC14A1は負に働いていると考えられた。一方で、TGF-β1刺激によってSLC14A1が発現減少することと、この時cell growthも抑制される事も確認しているので、このよく知られたTGF-βの細胞増殖抑制効果は、実はSLC14A1発現を抑制することによる経路もあり得る、という新たな知見につながる可能性が出てきた。 尿素自体の細胞増殖への影響をWST assayで調べると、0.05, 0.5, 5mMではほぼ差がなく軽微な抑制が観られ、5mMでさらに軽度の抑制効果を観たが、500mMにすると停止し、toxicと考えられた。 細胞遊走能については、scratch assayを行なったが、SLC14A1 siRNAによって抑制がかかった。しかし、尿素添加によっては0.05, 0.5mMでは不変で、5mMで促進、50mMで逆転して不変、500mMで明らかな抑制となった。従って、5mMでは尿素は細胞運動に促進的に働くことが示唆され、SLC14A1ノックダウンで抑制がかかるということから、UT-Bを介する尿素輸送が、軟骨肉腫細胞の運動を促進している可能性がある。しかし、これも仮説と逆の結果となった。 一方で、TGF-β1刺激下でSLC14A1と発現が連動するPEG10の、軟骨肉腫悪性度への影響についても同時に解析を進め、細胞増殖については、TGF-βと逆の促進効果、細胞運動と浸潤については、TGF-βと逆の抑制効果を認め、TGF-β/BMPのAKT経路を抑えることによることを見出し、論文報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞培養系におけるSLC14A1/UT-Bの機能解析について、順調に結果を得ることができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
細胞浸潤への尿素やSLC14A1ノックダウンの影響、さらに増殖、運動を含めた軟骨肉腫細胞の表現型に対する抗がん剤の影響に対する尿素とSLC14A1ノックダウンの影響を調べ、治療標的としてのSLC14A1/UT-Bの機能を評価する。臨床検体における発現解析も進める。
|
Causes of Carryover |
細胞培養系の実験において、使うリガンドの量が少なくて済んだこと、しかし、今後刺激リガンドの種類を増やす予定である。siRNAについては、前年度の余りを用いた事も原因だが、今後も使用量は増えると予想される。表現型解析実験は今後も増えるため、次年度使用額はこれらに充填できる。
|
Research Products
(1 results)