2018 Fiscal Year Research-status Report
Research for molecular taget of undifferentiatedsarcoma treatment
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17K10973
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (40423727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30178371)
永野 聡 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50373139)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | UPS / HDAC阻害剤 / LBH589 / FOSL1 / 未分化多型肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
Undifferentiated pleomorphic sarcoma (UPS)に対して分子標的治療ターゲットなるシグナル分子を同定しており、これらの機能と下流分子を明らかとし、US増殖・浸潤の分子標的治療を確立するために研究を行っている。HDAC阻害剤 (LBH589)は濃度依存性にUPS細胞株の増殖を抑制し、そのIC50は6-13nMと高い有効性を示し、in vivoにおいても高い腫瘍増殖抑制効果を認めた。マイクロアレイで同定したLBH589で発現変化する遺伝子の中から、FOS-like antigen 1 (FOSL1)がUPSの増殖を制御する遺伝子であることを見出し、RNAiによるFOSL1のknockdownでは細胞増殖能は有意に低下し、逆にlentivirusを使用したoverexpressionでは細胞増殖能は増加することが示された。さらに、FOSL1のknockdownでがん抑制遺伝子であるp21の発現上昇がみられた。さらに薬剤による制御がしやすい他の遺伝子の解析を行った結果、Neurotensin Receptor 1(NTSR1)に着目した。NTSR1は神経ペプチドの1種であるNeurotensin(NTS)の3種類の受容体のうちの1つであり,癌細胞の移動,浸潤,転移に関与する可能性が報告されている.RT-PCRおよび抗NTSR1抗体を用いたWestern blottingにて,mRNAおよびタンパクレベルでLBH589濃度依存性にNTSR1の発現減弱を認めた.siRNAによるNTSR1のknockdownではUPS細胞株の増殖能は有意に低下し,Scratch assayにおいて移動能,Migration assayにおいて浸潤能を有意に抑制した.今後研究を発展させ、臨床応用につなげたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子標的を同定し、阻害剤を用いた増殖抑制効果を確認している。また、現在動物実験も進行しており、有望な結果が得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
起源細胞のひとつであると推察されているヒト間葉系幹細胞でプロテオーム解析/マイクロアレイの結果得られた発現変化する蛋白質/遺伝子をexpression vectorを用いて強制発現して細胞増殖能を WST assayで評価する。細胞移動・浸潤能をin vitroにおいて Wound healing assay, Membrane assayを使用して評価する。上記研究で得られた遺伝子のノックダウンによるUS細胞増殖能への効果の in vivoでの検討を行う。上記すべての因子の発現や活性を臨床検体と臨床経過を検討することにより肺転移・化学療法の効果・予後予測に応用するための統計学的解析を行う。
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Causes of Carryover |
実験費用に余裕があった。次年度の実験に使用する。
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