2020 Fiscal Year Research-status Report
汎用性に優れた人工膝関節の部品間圧縮力計測センサの開発と至適軟部バランスの解明
Project/Area Number |
17K10989
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
岡本 純典 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30720180)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 人工膝関節 / 圧縮力 / 解析・評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工膝関節全置換術(TKA)には様々な器種があるが、その術中に膝の屈伸に伴う大腿脛骨部品間に生じる圧縮力に着目し、複数の器種に使用できる汎用性に優れた圧縮力計測センサを製作した。より大きな術後屈曲角度を獲得し、患者満足度を向上させるためにも必要とされる至適軟部バランスを解明することを目的とした。 初年度は、試作機を改良した術中支援センサの製作や調整が難航し、手術に供するまでには至らず、研究にやや遅れが生じたため、センサの製作会社と積極的に協議を重ね、製作を推進した。平成30年度は、①試作機を改良し、大腿脛骨部品間の圧縮力を計測できる圧縮力センサを開発し、②試作機が適応できる機種を用いて、試作機と改良型圧縮力センサを用いた部品間圧縮力の計測を行い、再現性、耐久性を検討した。試作機を改良した術中支援センサの製作が進み、計測方法の詳細な調整や協議が可能となった。 令和元年度は、積極的な臨床応用に推し進め、実臨床の場において20膝を対象に術中計測に供し、術中圧縮力の屈曲角度による変化は、凡そ5つの種類に分類した。 令和2年度は、更に症例を蓄積し、その結果として合計68膝が解析の対象となった。外側の圧縮力は、伸展位において体型指数と、屈曲90°においては体型指数のほか、術前の屈曲角度の大きさと関連することが明らかになった。また伸展から屈曲90度までの圧縮力の動的解析の結果、17膝が分類不能だったが、51膝は我々の規定する5つの圧縮力分布様式に分類できることが明らかになった。我々の考案した計測機器は、TKA術中の軟部バランスの一つの評価方法として簡便で且つ、高い汎用性のあることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により対象の症例収集が困難になったことと、試作機の改良に時間を要したため研究に遅れを生じたが、解析の対象となった68膝における部品間外側の圧縮力は、伸展位において体型指数と、屈曲90°においては体型指数のほか、術前の屈曲角度の大きさと関連することが明らかになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
大腿骨と脛骨間に位置するポリエチレンインサートの形状の異なる機種を追加し、今までの従来型のインサートと比較検討する。
|
Causes of Carryover |
次年度は、論文投稿にあたり英文校正と関連書物の購入計画があり、その費用等に使用する予定があるため、期間延長を行い、研究費を使用することとした。
|