2018 Fiscal Year Research-status Report
難治性希少肉腫である淡明細胞肉腫の治療標的となるゲノム異常の探索
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17K10992
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
岩田 慎太郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (90549685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巽 康年 千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター 腫瘍ゲノム研究室, 研究員 (00450578)
松田 浩一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90401257)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 悪性軟部腫瘍 / 明細胞肉腫 / 全エクソーム解析 / RNA-seq / 発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、本研究の対象となる明細胞肉腫の腫瘍及び正常検体の追加収集を引き続き行いつつ、これらの検体を用いての解析の実施を行った。これまでに腫瘍および正常検体のペアで収集できているのは8症例分であり、また腫瘍検体のみは6症例であるが、各施設へのアンケートの結果、腫瘍および正常検体のペアはあと2症例分、腫瘍検体のみは4症例の追加が見込まれている。 これまでに全エクソームシークエンスおよびRNAシークエンスを8症例で実施した。全エクソームシークエンスで得られた遺伝子変異候補をIGVで検証した結果、合計661個のnonsynonimous mutation(35~157個、1症例あたり平均82.6個)を同定した。生存曲線による予後因子解析の結果、1症例あたりのmutation数が100個以上の症例(3症例)で有意に予後不良であることがわかった(P=0.011)。また9個の遺伝子で8例中3例(37.5%)にrecurrent mutationが認められ、そのうち1遺伝子は予後不良例との相関を認めた。 コピー数異常解析では8症例中5例で8p21.3のgainを認めたが、RNA-seqの結果では、この領域内に存在する4遺伝子の発現量との相関は認められなかった。 各症例の組織学的検証として、RNA-seqによる本疾患に特徴的なEWSR-ATF1融合遺伝子の検出を試みたが、実施した12症例中融合遺伝子は6症例(50%)で確認されるのみであった。そこで本研究の対象症例が明細胞肉腫であるとするさらなる検証として、FISHおよびRT-PCRによる融合遺伝子の確認を行なった。前者は薄切病理標本を収集できた10例で実施し、break-apartが検出できたのは6例のみであったが、RT-PCRでは14例全例で融合遺伝子が認められた。FISHおよびRNA-seqで確認することが困難なほどfusion productが少ない可能性があり、各方法の更なる効率化を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
もともと超希少がんであることに加え、正常組織が無い症例が目立つことから、新たな追加症例が少ない状況である。現在コンソーシアム外の肉腫専門施設に症例の提供を依頼しているところである。またFFPEサンプルから抽出した微量DNAを用いての全エクソーム解析が可能かどうかを確認中である。 対象症例において、病理学的および遺伝子的な診断の確認に難渋している。特に悪性黒色腫との鑑別は重要なポイントであるため、できるだけ早急に対象症例の診断確定を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、国内の骨軟部腫瘍治療専門施設の大多数が参加する骨軟部腫瘍研究グループ(骨軟部肉腫治療研究会:JMOG)に共同研究として提案することにより、より多くの凍結検体およびFFPEサンプルの収集を狙う。またこれまでに見つかった予後不良群と関連する可能性のある遺伝子について、これまでに収集した3種の明細胞肉腫細胞株を用いて機能解析を実施する。
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