2019 Fiscal Year Research-status Report
難治性希少肉腫である淡明細胞肉腫の治療標的となるゲノム異常の探索
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17K10992
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
岩田 慎太郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (90549685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巽 康年 千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター 腫瘍ゲノム研究室, 研究員 (00450578)
松田 浩一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90401257)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 悪性軟部腫瘍 / 明細胞肉腫 / 全エクソーム解析 / RNA-seq / 発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、本研究の対象となる明細胞肉腫の腫瘍及び正常検体の追加収集を引き続き行いつつ、これらの検体を用いての解析の実施を行った。前年度までの症例集積がやや遅滞しており、再度国内の肉腫治療施設に個別依頼活動を行ったところ、新規の症例登録が6症例追加された。また登録済みの症例の検体も実際に収集し、解析に供することができた。現時点では26症例の解析が実施できており、当初の予定を超える集積数となっている。 現時点までに全エクソームシークエンスおよびRNAシークエンスを8症例で実施した。全エクソームシークエンスで得られた遺伝子変異候補をIGVで検証した結果、合計661個のnonsynonimous mutation(35~157個、1症例あたり平均82.6個)を同定した。生存曲線による予後因子解析の結果、1症例あたりのmutation数が100個以上の症例(3症例)で有意に予後不良であることがわかった(P=0.011)。また9個の遺伝子で8例中3例(37.5%)にrecurrent mutationが認められ、そのうち1遺伝子は予後不良例との相関を認めた。 コピー数異常解析では8症例中5例で8p21.3のgainを認めたが、RNA-seqの結果では、この領域内に存在する4遺伝子の発現量との相関は認められなかった。 明細胞肉腫は、疾患特異的なEWSR-ATF1融合遺伝子を持つことが知られている。しかしながら、本研究の対象サンプルにおけるRNA-seqによる本融合遺伝子の検出では、これまでに12症例中6症例(50%)にのみ確認されるにとどまっている。対象症例の適格性を再度検証することを目的に、対象症例のRNAを用いてtargeted sequenceによる融合遺伝子の検出を試みた。その結果、26症例中21症例でEWSR-ATF1融合遺伝子の存在が確認された。今後は検証済みの21症例を対象に解析を進めると同時に、他の症例についてもさらなる検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
もともと超希少がんであることに加え、正常組織が無い症例が目立つことから、症例収集に難渋したが、全国的に各専門施設への依頼を行うことで、検討に耐えうるサンプル数が集積された。またその中でも、融合遺伝子の再検討により、真に本研究の対象とすべき症例が確定された。 現在追加症例のNGSによる解析も進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、近々得られるNGSデータをもとに新規遺伝子変異やコピー数異常、さらには新規融合遺伝子などを検討する。またこれまでに見つかった予後不良群と関連する可能性のある遺伝子について、これまでに収集した3種の明細胞肉腫細胞株を用いて機能解析を実施する。
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Causes of Carryover |
調整用にわずかに残金が発生しているが、全て延長した令和2年度に使用する予定である。
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