2019 Fiscal Year Annual Research Report
Applied treatment for cartilage using tenascin C domain (TNIIIA2)
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17K11003
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
長谷川 正裕 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (40308664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 啓広 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60196904)
吉田 利通 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (80166959)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節軟骨 / 軟骨変性 / テネイシンC |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA)の予防・治療に利用する新しい候補分子として、軟骨修復能、軟骨変性抑制効果を有するマトリセルラープロテインであるテネイシンC(TNC)に着目している。TNCのドメインの中でも、軟骨細胞増殖に関与するペプチドであるTNIIIA2がある。 変形性膝関節症によるヒト変性関節軟骨組織および正常軟骨組織を抗TNC抗体および抗TNIIIA2抗体を用いて染色を行ったところ、軟骨変性を認める軟骨表面に染色性を認めた。マウス関節内にTNIIIA2の投与を行し、滑膜炎の発生および変化をコントロール群と比較し評価すると、投与後2週においては軽度滑膜炎の発生を認めた。しかし投与後4週では滑膜炎は改善していた。コントロール群でも同様の変化を認め、TNIIIA2関節内投与においては有意な関節炎の誘発は認められなかった。 変形性膝関節症患者の関節軟骨から単離した軟骨細胞を用いて、TNIIIA2を添加し細胞増殖アッセイを用いてコントロール群と比較し評価したところ、軟骨細胞に対してTNIIIA2の添加を行うことで軟骨細胞の増殖を促進することを示した。培養軟骨細胞に対してreal-time PCRを用いた遺伝子発現量の評価において、TNCを添加するとADAMTS4発現が増加し、ADAMTS5発現が低下した。しかし、TNIIIA2投与のADAMTS4、ADAMTS5に対する影響はみられなかった。 本研究においてTNIIIA2はTNCと同様に軟骨細胞増殖および変性抑制作用を持つ可能性が示唆された。TNCの軟骨細胞増殖や変性抑制抑制効果はTNIIIA2を含む部位が担っている可能性が考えられる。いまだ明らかになっていないTNCの作用機序の解明に役立つことが期待される。
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Research Products
(2 results)