2017 Fiscal Year Research-status Report
ドラッグ・リポジショニングによる変形性関節症の新規治療薬開発
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17K11009
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
ハティポール オメル・ファルク 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 非常勤研究員 (90791765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 孝志 岡山大学, 保健学研究科, 非常勤研究員 (10534802)
稲垣 純子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90271056)
廣畑 聡 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (90332791)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA)は、整形外科領域で最も頻度の高い骨・関節疾患であり、加齢に伴い有病率が大きく上昇し、潜在的な患者数も含めると2千万人にも達すると言われる。その原因としては、外傷や肥満、メカニカルストレスといった要因があげられているが、未だ根治療法はない。進行したOAで破壊された関節軟骨を再生するにはiPS細胞のような極めて高度な医療しかなく、すべての患者がその恩恵を受けられるわけではない。 最近、ドラッグ・リポジショニングという言葉が使われるようになった。これは既存の薬剤で他の疾患に使われている薬剤が目的とする疾患に対して予期せぬ効果をもたらすことを発見し、それを治療応用しようという試みである。最近では、新規薬剤の開発には15年間・2500億円かかると言われており、莫大な労力と費用が必要なため、医薬品の高騰化に繋がっている。 整形外科領域でのドラッグ・リポジショニングの一例としては京都大学iPS細胞研究所の妻木教授らが、軟骨無形成症にスタチンが有効であることを発見した。しかしながら、OAの治療に関するドラッグ・リポジショニングの報告はまだない。海外をみてもOA治療へのドラッグ・リポジショニングの実例はまだみられない。既に市場で販売されている薬剤がOA治療に利用可能となると、高額な医療費とならずかつ安全性も十分に確認されている患者に優しい安心な治療を新たに提供できる。 80以上の化合物ライブラリーをOUMS-27(軟骨肉腫)に添加し、細胞外マトリックス分子(アグリカンやⅡ型コラーゲン)およびマトリックス分解系(MMP-13及びADAMTS1.4.5.9)のmRNA発現量をリアルタイム定量PCR法にて検討した。スクリーニング検索を行った結果、期待した作用を持つ候補化合物を2つ同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スクリーニングの結果、思っていたよりも早く効果のある化合物を2つ探し当てることができた。これらの候補化合物は容易に入手可能であり実際に効果が確認された際にはドラッグリポジショニングの適例と考えられたためにスクリーニングと同時並行して化合物による効果を検証する実験のとりかかることを決断した。 現在、既に化合物は購入済みであり同種の他剤と効果比較する実験を計画中である。
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Strategy for Future Research Activity |
既に候補化合物には細胞毒性がないこともMTSアッセイによる細胞生存実験で確認済みである。 なるべく低濃度でアグリカン分解抑制効果がより強く、さらにわが国ですでに販売実績があるようなものが望ましいと考えられる。さらには主候補と同様の薬理作用を持つ他の薬剤との比較を前述したリアルタイムPCRおよびELISA系で検討することにより、最適な候補化合物を決定する方針である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Inflammatory cytokine induced HYBID (HYALURONAN-BINDING PROTEIN INVOLVED IN HYALURONAN DEPOLYMERAZATION) -Expression mechanism-2017
Author(s)
Takashi Ohtsuki, Lyu Chen, Hiroyuki Yoshida, Akira Shinaoka, Kanae Kmagishi-Shinaoka, Mehmet Zeynel Cilek, Omer Faruk Hatipoglu, Junko Inagaki, Keiichiro Nishida, Yasunori Okada, Satoshi Hirohata
Organizer
HA2017
Int'l Joint Research
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