2018 Fiscal Year Research-status Report
A new diagnostic technology for degeneration of knee ligaments using Raman spectroscopy and its developmetnt toward practical applications
Project/Area Number |
17K11029
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 康仁 東京医科大学, 医学部, 助教 (60567668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 怜 東京医科大学, 医学部, 助教 (90459579)
澤地 恭昇 東京医科大学, 医学部, 助教(特任) (20571152)
宍戸 孝明 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70266500)
香取 庸一 東京医科大学, 医学部, 臨床講師 (40233837)
立岩 俊之 東京医科大学, 医学部, 講師 (00424630)
山本 謙吾 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10246316)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前十字靭帯 / 近赤外ラマン分光 / 細胞外マトリックス / 光バイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究事業では、近赤外ラマン分光法を応用し、ヒト膝前十字靭帯(ACL)の組織変性を非侵襲的に診断するための新たな技術開発を行うことが主な目的である。靭帯再建術または人工膝関節置換術時に採取したACL検体を、非固定の状態で近赤外ラマンスペクトル検査し、その後病理組織学的評価に基づくスコアリングを実施した。組織評価では、炎症、ムコイド変性、嚢胞形成、軟骨化生、コラーゲン配列の乱れとして其々点数化し、早期変性群と変性進行群の2群に検体を分類した。この分類に従い、変性度の違いに基づくラマンスペクトル強度の変化を同定し、線形判別分析を用いた診断アルゴリズムの構築を試みる。 ACLのラマンスペクトルは、主にI型コラーゲンに由来するものであったが、その他にリン脂質や核酸などの線維芽細胞由来のバンドも観察された。組織変性に伴うラマンバンドの強度変化が微小であったことから、変性進行群と早期変性群間の差分スペクトルを得ることにより、変性と特に関連の深い分子振動の同定を試みた。この結果、コラーゲン内の幾つかの環状アミノ酸、リン脂質、核酸の分子振動に変化を認め、これらのバンド強度同士をペアリングすることで、さらに検出感度を向上させることができると考えられる。 現在は、検体数を増やしながら線形判別分析による診断アルゴリズムの構築を行っている段階である。病理評価とスペクトル変化の関係を考察し、ラマン分光に基づく診断精度が得られれば成果を論文化する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前十字靭帯の近赤外ラマンスペクトル計測はおおむね終了しており、現在は早期変性群と変性進行群に分類した診断アルゴリズムの構築に取り掛かっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
近赤外ラマン分光による前十字靭帯変性の診断アルゴリズムを線形判別分析により構築し、その後数学的なモデル検証を実施する。またラマンスペクトルと従来の組織学的評価の関連を考察する。必要に応じてさらに追加実験や検体数の増加も検討する。今年度はこれまでに得られた成果を論文化することを目指す。
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Causes of Carryover |
研究事業の最終年度に想定外の支出が必要となった場合に研究の進行に支障をきたすことが無いよう前年度予算を僅かに繰り越すこことした。
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