2017 Fiscal Year Research-status Report
関節軟骨組織の発生・再生機序における転写因子KLF4の機能解明
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17K11036
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
寺村 岳士 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (40460901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 真人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 招聘研究員 (10172355)
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授 (50201744)
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 軟骨 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、変形性関節症(OA)において変性した軟骨を治療するための標的分子として転写因子KLF4に着目し、その機能を明らかにすることを目的にしている。 研究開始に先立ち実施したスクリーニングにより、1) OA軟骨組織ではKLF4の発現が失われること、2)正常な軟骨の発生に伴い、KLF4の発現が上昇すること、3)KLF4の発現は軟骨基質遺伝子の発現を上昇させることの3点を発見した。 本年度には、KLF4による転写調節の機序および標的遺伝子を明らかにする目的でCAGE-sequenceを行い、KLF4によって活性化されるプロモーター、エンハンサーを複数見出した。Col2A1、Aggrecanなどは推定エンハンサー領域においても活性化を示すシグナルが見られたことから、KLF4による新たな転写活性化メカニズムの提案に結びつく可能性がある。 また、生体内におけるKLF4の機能を明らかにするため、コンディショナルノックアウトマウスの解析とCol2A1-Cre/GFP→KLF4ERトランスジェニックマウスの作成を行った。コンディショナルノックアウトマウスの軟骨組織では一部の軟骨基質遺伝子に発現量の低下が認められ、in vitro実験の結果と一致した。トランスジェニックマウスについても現在、作成と解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro実験を中心に順調な結果が得られている。 トランスジェニックマウスがうまく作動しないなど問題はあるが、代替の実験も準備中であり、当初目的は達成可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きin vitroでの機能解析を進める。また、ノックアウトマウスの解析も進め、CAGE-seqの結果と照らし合わせKlf4の標的遺伝子を網羅的に明らかにしていく。 トランスジェニックマウスについては再作成を計画しているが、平行してウイルスやRNAトランスフェクションなど代替手段も検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当該研究は3カ年で実施する事業であり、特に2年目、3年目には多くの分析を実施するためその費用として計上している。
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Research Products
(2 results)