2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of cardiac Ca2+ homeostasis in septic shock
Project/Area Number |
17K11047
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
渡邊 泰秀 静岡県立大学, 薬学部, 客員教授 (50305380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 裕一 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (50156361)
松田 直之 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50332466)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Na/Ca交換輸送体 / 心室筋細胞 / パッチクランプ法 / 敗血症 / 心筋Ca動態 / マウス敗血症モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
浜松医科大学を定年退職し静岡県立大学客員教授に就任した一昨年から、静岡県立薬学部生体情報分子解析学講座との敗血症の共同研究を行っている。浜松医科大学では盲腸部を21ゲージの注射針で腸に穴をあけるCLP敗血症モデルマウスを作製し時間経過(対照群,敗血症3時間 群,敗血症6時間群,敗血症10時間群,敗血症24時間群,および敗血症48時間群)に伴う敗 血症の心筋Ca動態を心筋Na/Ca交換体に焦点を当て検討した。パッチクランプ法によるマウスの単離心室筋細胞のNa/Ca交換電流密度はそれぞれのステージにで減少し、とくに敗血症6時間 群で対照群に比べ有意に減少した。 静岡県立大学との共同研究では、マウスの系統、週令、さらに敗血症モデルマウスの作製法等が代わるので、浜松医大での結果の整合性を確かめるため、実験を行った。週令14週のC57BL-6J雄性マウスの盲腸部に存在する糞便(ストックして貯蔵)をとり、別個体の雄性マウスに腹腔投与するCecal Slurry(CS)による敗血症モデルを作製した(Marlene et al., PLOS ONE, 2014)。CLP敗血症マウスモデルとCS敗血症マウスモデルを比較するため、CLP敗血症マウス(n=13)とCS敗血症マウス(n=5)の生存曲線(カプランマイヤー曲線)を検討した。CLP敗血症マウス(n=13)では48時間までは生存していたが48時間で9頭のマウスが死亡した(死亡率69%)、CS敗血症マウス(n=5)では3頭のマウスが死亡した(死亡率60%)で、ほぼ同様な傾向を示した。浜松医科大学でのCLP敗血症マウスモデルのNa/Ca交換電流密度結果と簡便なCS敗血症モデルマウスを用いた結果を比較整合性を得るため、コラゲナーゼによる単離心室筋細胞を用いパッチクランプ法にて実験を遂行している。今後、さらに敗血症による心筋細胞内Caの動態を解明していく所存である。
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