2019 Fiscal Year Research-status Report
蘇生後脳障害に対する新規ミトコンドリア標的型治療薬の開発と治療効果の検証
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17K11063
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
池田 浩平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60792471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三尾 寧 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00266686)
山田 勇磨 北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (60451431)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心停止蘇生 / 虚血再灌流傷害 / ミトコンドリア / Drug Delivery System |
Outline of Annual Research Achievements |
活性型チアミンをミトコンドリア標的型ナノ粒子(MITO-Porter)に搭載し、ミトコンドリア移行能が最適化されたMITO-Porterを作製した。マウス心停止蘇生モデルにおいて、活性型チアミン搭載ナノ粒子の投与が、蘇生後マウスの生存率、神経学的機能を改善するのかを検証する。2019年度は活性型ビタミンB1(TPP)を内封したMITO-Porterに細胞導入ならびにミトコンドリア移行能を有するオクタアルギニン (R8)を搭載したR8-MITO-Porter (TPP)を調製した。マウス心停止蘇生モデルに対し、このR8-MITO-Porterの生存率改善効果を検証した。R8-MITO-Porterと対照(vehicle投与)の2群で比較検討した。投与タイミングは自己心拍再開1分後とし、蘇生後10日間のマウス生存率と神経学的スコアをモニタリングした。R8-MITO-Porter群では対照群と比較して、生存率および神経学的スコアに統計学的有意差は認めなかった。引き続き、蘇生24時間時点での2群における脳病理学的評価(Fluoro-Jade C 染色)と蘇生後摘出脳より抽出したミトコンドリアのミトコンドリア生合成能測定を行った。ミトコンドリア生合成能測定では蘇生30分後のマウス脳皮質よりミトコンドリアを抽出し、酸素電極を用いて、基質・ADP・TPP MITOPorter存在下でのミトコンドリア呼吸能を測定した。また、実際のATP 産生速度をホタル蛍光色素であるルシフェリンを用い、ルミノメーターにて測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度はR8-MITO-Porterを用いた生体(マウス)での治療効果を検証した。2018年9月の北海道胆振東部地震の影響から試薬の調整が遅延しているため、プロジェクト全体の進行に若干の遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
R8-MITO-Porterの蘇生後脳保護効果、脳ミトコンドリアATP合成能に及ぼす影響を検証する。
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Causes of Carryover |
2019年度の当初計画に、マウス脳ミトコンドリア呼吸能計測実験の経費を算入していたが、使用しなかった。次年度に算入する予定である。
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