2021 Fiscal Year Research-status Report
組織因子とオートファジーに着目したNET抑制による敗血症の新たな病態の解明
Project/Area Number |
17K11064
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
下村 泰代 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (80534031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 修 藤田医科大学, 医学部, 教授 (20208185)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好中球細胞外トラップス / Autophagy / 敗血症性DIC / 多臓器不全 / トロンボモジュリン / ヒストン |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト末梢血液を用いた研究で、好中球の精製と培養系を確立でき、現在Autophagyの発現の検討を行っている。 LPS誘導型敗血症モデルマウスを使用する研究では、DIC治療薬であるリコンビナントトロンボモジュリン(rTM)の効果を検討を行っている。 これまでもrTMの効果をみる研究はあるが、多くはLPSなどの感染物質に先立ってrTMを投与(前投与)する研究である。しかし、敗血症発症前にrTMを投与す るという実験系では実際の臨床現場では現実的でない。我々はLPS投与後にrTMを投与する(後投与)を行っている。LPS投与後72時間で50%となる生存率が、rTM後投与群では72時間後は100%、96時間後では80%と改善することがわかった。敗血症性DICの病態悪化の原因の一つが、サイトカインストームや多臓器不全がある。そこで、rTM後投与の有無で血中の炎症性ならびに抗炎症性サイトカイン濃度を測定した。 rTM後投与はこれらのサイトカイン濃度の上昇を抑制した。また、多臓器不全のターゲット臓器である肺と肝臓のNETs形成はNETs構成成分であるヒストンの蓄積状態で評価した。蛍光免疫染色法でヒストンを検出したところ、ヒストンの蓄積は抑えられていた。以上の結果からLPS誘導型敗血症モデルマウスにおけるrTMによる生存率改善には、サイトカインストームの抑制と多臓器不全のターゲット臓器といわれる肺・肝臓の抗炎症効果によるもではないかと推測しできた。本研究費を用いて、NETs形成が敗血症の重症化に関与している可能性がわかり、本結果を論文発表し、世界に情報公開することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19のまん延でヒトサンプルの回収がやや遅れている
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、論文発表をしたが、本研究はまだ継続している。次の論文を作成中であるため詳細な公表は控えるが、本研究を通じて、オートファジーがNETs形成に関与している可能性が見えてきた。敗血症の病態をさらに深く解明していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19のまん延でヒトサンプルの収集が遅れているため、研究費の使用も遅れている。
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Research Products
(4 results)