2019 Fiscal Year Annual Research Report
Basic study on the drug repositioning of PDE4 inhibitors for interstitial pneumonia in the lung
Project/Area Number |
17K11071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 佳代 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (40532221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 芳嗣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30166748)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フォスフォジエステラーゼ4 / ドラッグリポジショニング / 間質性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはDrug targeting pointとして注目を集めるPDEファミリーが間質性肺炎患者の創薬ターゲットになりうるか、発現の変化を明らかにすることで可能性を探りたいと考えた。IPF患者や二次性間質性肺炎患者では正常患者と比較してPDE4の発現量が変化しておりその変化が病態形成に関与していると仮説を立て、検証した。 タンパク質解析により発性肺線維症患者の肺では正常肺よりもPDE4Bの発現量が減少していることが明らかにされた。他方、二次性間質性肺炎肺ではPDE4B発現量が大きく増加していることが明らかとなった。PDE4Bは背景で述べたように、炎症に関与する物質であると考えられている。つまり、特発性肺線維症の肺は正常肺患者よりも炎症反応が低下しており、炎症とは異なる機序で病態が形成されている可能性が示唆された。また、二次性間質性肺炎患者はPDE4Bの発現が増加しており、炎症を背景として病態が形成された可能性が考えられた。つまり炎症細胞の活性化の観点からは特発性肺線維症と二次性間質性肺炎肺は異なる病態から形成される疾患であるかもしれないことが明らかになった。 また、PDE4Dの発現量は正常肺<特発性肺線維症<二次性間質性肺炎の順に多いことが明らかにされた。背景に述べたように、PDE4Dは、気道過敏性に関与する物質であると考えられている。つまり、特発性肺線維症患者では正常肺患者よりも気道過敏性が増強する可能性がある。さらに二次性間質性肺炎患者ではPDE4D発現量が高く、必ずしも臨床所見と相関するとは考えられないが、本研究結果を以て考察するのであれば、3群の中でもっとも気道過敏性が高い可能性がある。
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Research Products
(7 results)