2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of Natural killer cell and immune responses on volatile anesthetic-induced cardioprotection
Project/Area Number |
17K11090
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
平田 直之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00438045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 周術期管理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】吸入麻酔薬は心筋虚血再灌流傷害に対し心保護作用を有する一方で、がん細胞に対しては免疫抑制による予後悪化の可能性が指摘されている。本研究では、吸入麻酔薬による心保護作用に対するNK細胞の影響を明らかにすることを目的とする。 【研究の方法】ラット心筋虚血再灌流傷害モデルを用いた。麻酔下ラットの冠動脈左前下行枝を結紮と解除により、虚血30分再灌流120分暴露により虚血再韓流傷害を誘導した。コントロール群, 2%セボフルランプレコンディショニング群, NK細胞活性阻害薬AAGM-1(24時間前静脈内投与)群, 2%セボフルラン+AAGM-1群に分け, 虚血再灌流傷害およびバイオマーカーへ及ぼす影響を調べた。 【研究の結果】コントロール群では虚血再灌流傷害の指標であるInfarct size(IS)/ Area at Risk(AAR)が75±15%であったのに対し, セボフルラン(Sev)群40±10%, AAGM-1群は35+15%, Sev+AAGM-1群は38±12%と, コントロール以外の群ではIS/AARが減少した。虚血再灌流直後のTNF-α, IL-1beta, IL-6を測定したところ, Sev群, AAGM-1群ではコントロール群と比較して低く, 虚血再灌流後の心筋トロポニンは, Sev群, AAGM-1群, Sev+AAGM-1群で有意に低下を認めた。コントロール群以外の3群では虚血再灌流後のミトコンドリア酸化的リン酸化機能が維持されたが, 3群間(Sev, AAGM-1, Sev+AAGM-1)で有意差はなかった。 【考察】セボフルランおよびAAGM-1投与によるNK細胞抑制は, 炎症性サイトカインの上昇および心筋虚血再灌流傷害を抑制することが明らかとなった。
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