2018 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病易感染性病態の解明と治療に向けた白血球遺伝子及びcfDNAの網羅的解析
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17K11094
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
前田 祥子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90529512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 祥代 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40457958)
小川 覚 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50636131)
中嶋 康文 関西医科大学, 医学部, 教授 (70326239)
中山 力恒 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90568198) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 白血球 / 感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き、網羅的解析の機器のセットアップについて時間を要しているため、高血糖と単球系(マクロファージ)の機能低下を引き金とした易感染性との関連性の研究を動物モデルに展開した。昨年度は、human vitro モデルで、高血糖+敗血症下の群において、経時的にマクロファージ貪食能が低下し、72時間後が最も顕著であることを示した。同様に72時間後に、p-Aktタンパクは高血糖+敗血症下の群で最も低下し、逆にCHOPタンパクは最も上昇していることを明らかとした。また、高血糖単独および感染敗血症単独状態では、これらのタンパクの発現傾向が強くないことから、高血糖および敗血症状態の重複が強く影響していることが示唆された。したがって、昨年度はLPS投与下(敗血症モデル)で高血糖状態のラットを作成し、腹腔内から採取したマクロファージの貪食能およびhuman vitro モデルで観察したp-AktタンパクおよびCHOPタンパクについて同様の現象が観察されるか探求した。現在、得られたデータを解析中である。 また、近年、NLRPインフラマソームが、炎症応答を促進することが知られている。そして、チオレドキシン相互作用タンパク(Txnip)がNLRP3インフラマソームの活性化に関与することが、様々な病態モデルから明らかとなりつつある。Txnipはこれまでの報告で、血糖上昇によって、タンパク発現量が上昇することが示されている。これらのことに着目し、我々のこれらのモデルを用いてTxnipが高血糖+敗血症下の単球に与える影響についても研究を発展させ、現在、研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のような結果が得られてはいるが、網羅的解析のための機器のセットアップに時間を要していることから、進捗状況をやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
機器のセットアップを継続すると共に、動物モデルにおける結果を確定させる。また、新たに着目した上記機序についても深めていく予定である。
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Causes of Carryover |
実験の際のテクニカルエラーが予定よりも少なかったため、少し持ち越し額が発生した。これらについては、新しく着眼した機序の解明に向けて使用する予定である。
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