2018 Fiscal Year Research-status Report
実験的脳梗塞モデルを用いた神経保護作用と中枢痛(視床痛)改善の検討
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17K11102
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 雄 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70436278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経因性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞後の神経因性疼痛(視床痛)を解析するにあたり、一般的な神経因性疼痛のモデルを用いた。坐骨神経結紮モデルを用いた。神経因性疼痛にもTRPM2チャネルが関与するという報告もあるため、そのブロッカーでもあるクロトリマゾールを用いて、その効果を検証した。オスマウスをイソフルランで麻酔したのちに、左坐骨神経後方を1/2程度結紮した。手術直後にクロトリマゾール30 mg/kg(コーン油に懸濁)またはコントロール(コーン油)を皮下注した。手術後1、2,3,6,7週間後にvon Freyフィラメントを用いて疼痛閾値を測定した。最初の閾値を1とした時のと痛痛閾値は次のようであった。コントロール群ではそれぞれ0.25+/-0.11、0.23+/-0.08、0.42+/-0.39、0.37+/0.16、0.44+/-0.10。クロトリマゾール群では0.67+/-0.32、0.48+/-0.37、0.76+/-0.31、0.51+/-0.35、0.93+/-0.78だった。今回の結果では1週目のデータでのみ有意差があった。それ以外には有意差がなかった。 麻酔自体の肺への影響を調べるため、通常の実験的脳梗塞を作成するときよりも長い時間麻酔薬に暴露した。セボフルランおよびイソフルランを報告されているマウスの1MACの濃度で6時間投与した。1週間後に肺および脳を摘出し、組織をHE染色して、何も行っていないマウスと比較した。これらで違いはなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験で使用する装置の不具合が生じてしまった。現在それを修復している。
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Strategy for Future Research Activity |
神経因性疼痛のモデルをナイロン糸による結紮モデルのみではなく、樹脂のチューブで覆うカフモデルにして実験していく予定である。現在まで用いてきたのは従来の手動式のvon Freyフィラメントであったが、電子式von Freyフィラメントの導入を考慮する。それにより、より精密な閾値を測定することができると考える。また、ホットプレートテストも追加していく。オスマウスのみでなくメスマウスでも測定する。傷害を起こした側の神経組織およびその対側でTRPM2の発現を比較検討する。
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Causes of Carryover |
実験装置の不具合のため進行が遅れた。今後今年度使用できなかった試薬等を購入し、実験していく。脳梗塞巣の破綻した血液脳関門からの漏出をエバンスブルー等を用いて測定していく。TRPM2の発現をqPCRを用いて解析していく。
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