2021 Fiscal Year Research-status Report
実験的脳梗塞モデルを用いた神経保護作用と中枢痛(視床痛)改善の検討
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17K11102
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 雄 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70436278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 末梢神経障害モデル / クロトリマゾール / von Freyフィラメント |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢神経障害モデルを作成し、それに対してTRPM2チャネルの拮抗作用を持つクロトリマゾールの効果を検討した。クロトリマゾールは水等に溶解しないため、経静脈投与は困難である。そのためアルコールに溶解したものをコーン油に懸濁し、皮下注する方法がしばしば用いられる。しかし、効率が良くないとされる。そこで今回はポリエチレングリコールに溶解して、腹腔内投与を試みた。まず、この方法でマウスが生存できるかを確認した。投与直後には特に問題は起こらず、コントロールとしては生存率は60‐80%だった。 ベースラインの感覚(疼痛)閾値を手術を行う前に測定した。末梢神経障害はカフを用いた。カフは、PE-20チューブを2 mmに切ったものの正中を切開し、作製した。麻酔したマウスの坐骨神経を露出し、カフをかけた。その後、数日以上経過したのちに障害後の感覚(疼痛)閾値を計測した。naiveマウスでの薬剤投与後の生存率は悪くはなかったものの、術後のマウスにおいては全動物が死亡することもあったため、初期には動物を刺激せずに飼育した。実験できた動物数が少なかったが、術後2週間以上経過したマウスで、コントロールとクロトリマゾールを投与した群で疼痛の閾値に違いは認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
カフを用いて坐骨神経を障害させるモデルを用いたが、この手技が困難であった。この手技の習得に予定よりも長い時間が必要であった。 また、薬剤の腹腔内投与のみでの生存率は比較的悪くなかったものの、末梢神経を障害したのちに、薬剤を投与した際に、2日程度で全動物が死亡してしまうことも多かった。そのため、データの取得に至った動物数が少なくなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も同様の設定で、坐骨神経をカフで障害したモデルを用いて行っていく。Von Frey式感覚測定装置を用いて痛みの閾値を計測していく。それとともに、この方法でクロトリマゾールの投与がTRPM2チャネルの発現をどのように変化させるかを、PCRや組織免疫染色によって行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
手術手技が難しく、実験に想定よりも長時間を要してしまったため、予定の動物数を用いた実験を行うことが困難であったため。現在は比較的手技にも慣れてきたため、手術を行い、PCRや組織免疫染色を行い、末梢神経障害後のクロトリマゾールのTRPM2チャネル発現への影響を確認していく予定である。
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