2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on neuroprotection against cerebral ischemia using mouse MCAO model
Project/Area Number |
17K11102
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 雄 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70436278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳神経保護 / 神経因性疼痛 / 坐骨神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
オスC57Bl/6マウスにカフモデルを用いて坐骨神経を傷害し、それによる神経因性疼痛を作成した。結紮モデルとは異なり、坐骨神経の神経束すべての傷害をとなるモデルである。治療モデルとして、神経保護作用のあるクロトリマゾール群と、コントロール群を設定した。クロトリマゾールを静脈内投与が可能にする溶媒が存在しない。しかし、なるべく吸収効率を上げるために、今回はポリエチレングリコールに溶解し、腹腔内に受傷後に投与した。疼痛の閾値を電子式von Freyフィラメントを用いて測定した。これによる疼痛軽減の効果は認められなかった。その後、脳組織でのTRPM2の発現を調べるため、脳を採取した。しかし、抗体を入手できたのが終了間際だったため、染色・解析には至らなかった。
これまでのわれわれの検討ではクロトリマゾール等を用いてそのTRPM2チャネルのブロックを行ってきた。今回の研究では、TRPM2チャネルの活性を抑制するサーチュイン2(Sirt2)抑制剤であるAGK2を用いた。Sirt2抑制による神経保護効果を検討するため、実験的脳梗塞モデルである中大脳動脈塞栓(MCAO)をマウスで行った。脳虚血60分後にAGK2 10 mcg/kgまたはvehicleを静脈内投与した。4日後に脳を採取し、TTC染色を行い、脳梗塞の大きさを計測した。これによると、AGK2は雄マウスにおいては神経保護作用を示したものの、メスマウスにおいては示さなかった。これはTRPM2チャネル抑制剤が示した効果と同様であった。
脳梗塞後の視床痛の治療の検討を計画していたが、顕著な視床痛が継続することはわれわれのモデルの中では観察できなかった。そのため、最初に坐骨神経結紮モデルで神経因性疼痛を作成して検討した。クロトリマゾールを皮下に投与するモデルを使用したが、疼痛軽減は最初の1週間目でのみ認められるだけだった。
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