2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular pharmacological profile of mu opioid receptor agonists, and clinical applications thereof
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17K11105
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山崎 光章 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (70158145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 年 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40318613)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | μオピオイド受容体作動薬 / TRV130 / βアレスチン / 薬理学的プロファイル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究分担者である成田年教授に富山にて直接研究指導を仰ぎ、その成果により、βアレスチンバイアスμリガンドであるフェンタニルのβアレスチンリクルートメント増加作用に対する末梢性μアゴニストであるロペラミドの効果、ならびにメサドンのβアレスチンリクルートメント増加作用に対するβアレスチンリクルートメント部分作動薬であるオキシコドンの効果を検討した。フェンタニルおよびメサドンによるβアレスチンリクルートメント増加作用は、ロペラミドおよびオキシコドンの併用によってそれぞれ増強した。一方、βアレスチンリクルートメント増加作用をほとんど示さないヒドロモルフォンをフェンタニルと併用すると、GタンパクバイアスμリガンドであるTRV130と同様に、フェンタニルによるβアレスチンリクルートメント増加作用は著しく抑制された。 さらに、先行研究や初年度の成果に基づき、各強オピオイドの便秘ならびに鎮痛強度をもとに副作用係数を算出し、各強オピオイオドによるバイアス係数の相関解析を行なったところ、これらの係数間に有意な相関は認められなかった。また、TRV130の鎮痛、便秘、自発運動量および悪心・嘔吐作用について、モルヒネとの比較検討を行ったところ、2群間に大きな差異は認められなかった。さらには、場所嗜好性試験(CPP法)や弁別刺激法に従い、TRV130とモルヒネの精神依存形成能や摂取感覚効果の比較検討を行ったところ、両群において同程度であった。 なお、数種強オピオイドの網羅的な行動解析の比較検討については、年度末の実験環境の制限によって、完結するには至らなかった。しかし、TRV130の精神依存形成能ならびに摂取感覚効果の解析は今後のオピオイドの再分類化の必要性や、強オピオイドの併用の有用性を議論する際に重要な所見になりうると確信したために、今後も継続した解析を進めようと考えている。
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