2020 Fiscal Year Research-status Report
内側不安定型膝関節症誘導モデルマウスの疼痛メカニズムの解明
Project/Area Number |
17K11108
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 亜矢子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70444544)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井浦 晃 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40467551)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 変形性膝関節症 / 膝痛 / 内側不安定型膝関節症 / GABA受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
内側不安定型膝関節症モデルマウスにおける膝関節痛の評価としてKnee-bend Scoreの測定を行ってきたが、生後4週齢の幼若マウスに手術を施行し、10週齢(術後6週)でKnee-bend Scoreを測定したところ、個体によりばらつきが出てしまうことが明らかになった。しかし、週齢が進むと、電気生理学実験による脊髄スライスを用いたパッチクランプ実験での電流測定が難しく十分なデータが得られないことが前年度までの実験で明らかとなっていることから、現在内側靭帯の切離単独ではなく、モノヨード酢酸およびカラゲニンの関節内投与を併用することで、膝関節症の発症時間の短縮を図って実験を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
概要にも述べた通り、脊髄スライスを用いたパッチクランプによるデータ取得は、マウスが若年齢であるほど組織の安定性が高くなり容易であるが、マウスの週齢が進むほど難易度が進む。しかし、幼若マウスでは、組織の回復能力も高いため、手術を施行しても、膝関節症の発症にばらつきが生じてしまう。そのジレンマで、実験データの安定した拾得のためのベストな条件設定に苦労し、進行が遅れてしまっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
膝関節症モデルの安定した作成と、電気生理学実験の安定したデータ作成のために使用するマウスの週齢に乖離があるため、電気生理学実験を脊髄スライスではなく、例えばin vivoパッチクランプで行うなども考慮する。しかし、in vivoパッチクランプはスライスを用いたパッチクランプ法とはセッティングが異なるため(麻酔下に行うため人工呼吸管理などが必要となり、そのシステム構築が必要となる)、準備に時間がかかる。 そのため、まずは、膝関節症発症をより確実にするために、手術単独でなく、モノヨード酢酸の投与と併用し、関節症をより若齢で発症させる工夫を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍にあり、臨床の業務の増加によって実験に費やせる時間の大幅な短縮があり、実験計画に遅れが生じた。その結果、成果発表なども予定していた通りに進められず、残額が発生してしまった。
|