2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pain mechanisms in a mouse model of medial instability-induced knee arthropathy
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17K11108
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 亜矢子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70444544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井浦 晃 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40467551)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 内側不安定型膝関節症 / 脊髄後角 / GABA受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の計画では当初、臨床の病態に近い関節不安定型膝関節症モデルを作成し、行動実験で膝関節痛を確認した。しかし、疼痛行動に有意差が出るのに術後6週以上を要し、当該マウスを用いた脊髄スライスによる電気生理学実験は難航した。 そこで、膝関節症をモノヨード酢酸の関節内投与により誘導するモデルに変更した。Weight bearing testではモノヨード酢酸投与後3-14日目に患肢への荷重が有意に減少した。Foot stamp testでは、健側と患側の歩幅に差が生じ、患側の歩幅が有意に減少した。また、膝関節のスライス標本を作成し、サフラニン染色を施行したところ、軟骨組織の減少を認めた。これらの結果より、モノヨード酢酸の膝関節内投与マウスは、膝関節症による膝関節痛のメカニズム研究に適切なモデルであると判断した。 次に当該モデルマウスの脊髄スライスを作成し、人工脳脊髄液灌流下にパッチクランプ法を用いて脊髄後角膠様質細胞(SG細胞)より微小興奮性後シナプス電流(miniature EPSC)を記録した。脊髄神経根入根部を刺激し、誘発性興奮性後シナプス電流(evoked EPSC)を記録した。さらに、神経根入根部を一過性に高頻度刺激 (100Hz、1秒間)後、evoked EPSCを記録し、刺激前と振幅を比較することで長期増強(LTP)の有無を検証した。当該モデルマウスのSG細胞におけるmEPSCの頻度、振幅は正常マウスと比較し変化がなかった。また、eEPSCの振幅も正常マウスと比較し変化がなかった。現在、mEPSCの減衰時間と、LTPについてデータ解析中である。 rt-PCRで膝関節および脊髄後角における炎症性サイトカインTNF-αおよびIL-6の発現量を正常マウスと比較検討した。膝関節のmRNSの発現量は正常マウスと比較し、膝関節症マウスでは有意に増加していた。脊髄について解析中である。
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Research Products
(3 results)