2017 Fiscal Year Research-status Report
筋層浸潤膀胱癌予後予測因子としてのブチリルコリンエステラーゼとグレリンの有用性
Project/Area Number |
17K11118
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
古家 琢也 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (60321965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 徹 弘前大学, 医学研究科, 助教 (50587649)
大山 力 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80282135)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ブチリルコリンエステラーゼ / グレリン / 筋層浸潤膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋層浸潤膀胱癌(MIBC)に対する標準治療は、膀胱全摘除術(RC)および術前化学療法(NAC)である。弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座では,術前化学療法2コース施行後膀胱全摘除術を行い、全生存率および非再発率が手術単独に比べ有意に改善することを報告してきた。しかしすべての症例で有効なわけではないため、様々な予測因子の検討が試みられている。当科では、ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)がMIBCの予後予測因子として有用であると報告してきた。特に、NAC施行例が手術単独に比べ有意に高いことが明らかとなった。しかし、なぜBChEが高値を示したのか、その機序は不明であった。グレリンは、主として胃内分泌細胞で産生される、唯一末梢で産生される摂食促進ペプチドで、重症心不全や肺がんによる癌性悪液質でも高値を示すことが明らかとなっている。一方BChEの主な生理機能として、グレリンを加水分解することによりその機能を不活化させる役割を持っていることが明らかとなった。そのため担癌患者では、血清BChE濃度を低下させることによりグレリン濃度を上昇させ、体内の恒常性を保とうとしているのではないかと考えた。そこで本研究は、両者を経時的に測定することで、MIBC患者の全身状態が把握でき、さらにBChEの予後予測因子としての有用性に検証することを目的とした。平成29年度は,まず既存の血清を用いて,グレリンの測定を行った.NAC後の患者で,desacyl typeのグレリンがやや上昇していることが分かった.しかし,BChEとの関連がまだ明らかとはなっていないため,現在検体を収集し,さらに検討を行っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度の研究実施計画である 1. グレリンの測定 2. 筋層浸潤膀胱癌患者でのBChEおよびグレリンの測定 上記の計画のうち、2のBChEの測定については,ルーチンで測定を行うこととしたため,計画通り進んでいる。グレリンの測定については,既存の血清による検討で,安定したデータが得られることがわかっている.ある程度の検体数が集まった段階で測定を行うが,1日程度で結果がわかるため,計画よりはやや遅れてはいるものの,データの収集にはそれほど遅れは生じない.
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Strategy for Future Research Activity |
MIBC症例の血清の収集はこれまで通り行っていく.また,当初の予定通り,マウスを用いた動物実験もあわせて行っていく予定である.
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Research Products
(7 results)