2018 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームmicro RNA制御性ケモカインによる前立腺癌骨転移増悪機構の解明
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17K11126
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
成本 一隆 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医幹 (50645207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 敦 金沢大学, 医学系, 教授 (50248580)
泉 浩二 金沢大学, 附属病院, 講師 (80646787)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行前立腺癌における転移の大部分は骨転移であるが、ひとたび転移を起こすと根治は困難となる。近年、様々な癌でCCL2などのケモカインが癌の進展・増悪に関わることが報告されているが、前立腺癌におけるケモカインの役割は未だ不明な点が多い。前年度すでに前立腺癌骨転移巣では骨間質細胞から分泌されるCCL5が前立腺癌細胞の遊走能を亢進させることが明らかにした。本年度は前立腺癌細胞が局所の炎症によりその活性が助長されていることから、抗炎症作用物質が前立腺癌の進展抑制効果が得られるかを検討した。注目したのが、世界で最も一般的な嗜好品であるコーヒーである。コーヒー成分中のカーウェオールとカフェストールが抗炎症効果(ケモカインの分泌抑制効果)を持つことが報告されている。本研究でもこれらが各種前立腺癌細胞(PC-3, DU145, LNCaP, LNCaP-SF)の増殖能や遊走能を抑制することを明らかにした。カーウェオールとカフェストールはアンドロゲン受容体を有する細胞株では、アンドロゲン受容体の発現を抑制したにもかかわらず、アンドロゲン受容体シグナルで抑制がかけられているはずのケモカインの分泌をも抑制することを明らかにした。さらに、CCL5の受容体であるCCR5の発現も濃度依存的に抑制した。これらケモカインは自己分泌作用で前立腺癌細胞自らの遊走能を亢進させることが知られている。コーヒーは抗炎症作用によって前立腺癌の進展を抑制していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに前立腺癌の骨転移におけるCCL5の役割および、多数の前立腺癌細胞株におけるCCL5-CCR5シグナルの抑制効果を示しており、3年間の予定を100%とした場合、90%程度進捗したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
CCL5が薬剤耐性に関与する可能性を明らかにしていく。また、マウスの実験系において、細胞株と同様の結果が得られるか確認する。
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Causes of Carryover |
まだ薬剤耐性機構とマウスの実験が行われておらず、残額が生じている。残金よりこれらの実験を行う予定である。
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[Journal Article] Coffee diterpenes kahweol acetate and cafestol synergistically inhibit the proliferation and migration of prostate cancer cells.2019
Author(s)
Iwamoto H, Izumi K*, Natsagdorj A, Naito R, Makino T, Kadomoto S, Hiratsuka K, Shigehara K, Kadono Y, Narimoto K, Saito Y, Nakagawa-Goto K, Mizokami A.
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Journal Title
Prostate
Volume: 79
Pages: 468-479
DOI
Peer Reviewed / Open Access