2017 Fiscal Year Research-status Report
新規末梢血癌細胞検出法を応用した泌尿器癌転移に関するバイオマーカーの開発
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17K11127
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 育秀 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00452102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 正博 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (20313661)
小中 弘之 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40334768)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 泌尿器科癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は泌尿器科癌細胞株を用いた予備実験を行った。細胞数を調整した腎癌細胞株ACHN、前立腺癌細胞株PC3、LNCaP、DU145を20mlの健康成人血液中に混注した研究サンプルを作成した。hTERTプロモーターとBEPを組み込んだ新規アデノウイルスベクターOBP401を用いたTRADシステムを使用して、血液中の癌細胞を同定することが可能であったが、検出には血液1ml中に100-1000個の癌細胞が必要であり、精度は低いものと思われた。 予備実験として、臨床研究を金沢大学医学倫理委員会に申請し、泌尿器癌(腎癌、腎盂尿管膀胱を含めた尿路上皮癌、前立腺癌、精巣癌)患者の 血液サンプルを使用できる状況を整えており、約20例で施行しているが検出力精度の点では実験系が未熟であり、結果を得るのに至っていない。婦人科癌(卵巣癌、子宮体癌)患者では、同じ実験系でも血液浮遊癌細胞を検出できており、癌種によるバイオロジーに相違がある可能性があり、この点も一つの所見と思われた。また、泌尿器科癌患者では早期癌患者が多く含まれ、進行癌患者のリクルートを行い、癌進行度による相違について検討することが必要と思われた。 ベクターの改良による精度の向上を試みているが、婦人科癌(卵巣癌、子宮体癌)患者においての予備実験段階であり、実用段階に至っていないのが現状である。次年度以降は実験系の確立を必須の課題と考え、泌尿器科癌への研究応用を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
泌尿器科癌では血液中浮遊細胞のバイオロジーが他癌種と異なっており、同じ実験系でも検出力が弱いと思われた。本実験系で使用しているベクターの改良が必須であるが、進行していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はベクターの改良による精度の向上を試みる。婦人科癌(卵巣癌、子宮体癌)患者においての予備実験段階であり、実験系の確立を見て泌尿器科癌への研究応用を検討している。
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Causes of Carryover |
予定通りの実験成果がまだあげられていないので、実用段階の実験に至っておらず、予定していた試薬の購入が遅れたため、残額が生じた。次年度の実験系の確立と応用を目標として、それにともなう消耗品の購入にあてる予定である。
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