2019 Fiscal Year Annual Research Report
Depelopment of novel biokarker in metastasis of urological cancer using a novel circulating tumor cell detector system
Project/Area Number |
17K11127
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 育秀 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00452102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 正博 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (20313661)
小中 弘之 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40334768)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エクソソーム / 泌尿器癌 / 去勢抵抗性前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌の遠隔転移に関わる分子生物学的機序について解明するため、本研究では癌細胞が分泌する細胞外小胞(エクソソーム)に着目した。LNCaPのARをsmall interference RNAを用いてノックダウン(siAR)し、コントロールのLNCaP(NC-LNCaP)とsiAR-LNCaPを比較した。エクソソーム内に包含されるmicro RNA分析、miScript PCR arrayでは、siARによって発現量が低下したmicro RNAとしてmiR126-5pをすでに報告した。さらに去勢マウスで増殖が認められるヒト前立腺癌細胞株C4-2BについてもsiARを作成し、NC-C4-2BとsiAR-C4-2Bを比較した。これら二つのヒト前立腺癌細胞株のエクソソームRNAにおいてsiARによって発現が抑制された共通のmicro RNAは存在しなかった。LNCaPでは前記のmiR126-5pのほかmiR31-5p、C4-2BではmiR449aが抑制されていた。去勢抵抗性でのmicro RNAの挙動を重視しmiR449aをターゲットに絞り、その役割を検討した。NC-C4-2BとsiAR-C4-2BにmiR449aを添加し増殖能を調べたが、どちらもほとんど変化を示さなかった。また、自己分泌作用で遊走能亢進を誘導する、前立腺癌細胞にとって重要なケモカインであるCCL2の発現についても変化を示さなかった。そこで新たに別のmicro RNAを含むmiScript PCR arrayを前立腺癌細胞で行い、ターゲットとしてmiR124を見出した。miR124はDHTを添加すると誘導がかかるが、miR124の阻害剤を用いても増殖に影響を与えないことが分かった。一方、miR124は遊走能を亢進させることが分かった。本研究からARに制御されているmicro RNAが前立腺癌においてアンドロゲン除去療法を行っている際に転移を誘導する原因である可能性があることが明らかとなった。
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