2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of stromal differentiation therapy focusing on stability of prostatic outgrowth
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17K11130
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉村 芳樹 三重大学, 医学系研究科, 教授 (90179151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 学 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60626117)
石井 健一朗 三重大学, 医学系研究科, 助教 (90397513)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前立腺増殖機構 / 間質分化誘導療法 / ソニック・ヘッジホッグ / 平滑筋細胞 / 線維芽細胞 / 間質リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マウス前立腺におけるShh発現と体内アンドロゲン濃度との関係を検証した。C57BL6/Jマウス(オス、8週齢)を去勢した後、1, 3, 7, 14, 21, 28日目にマウスを屠殺し、前立腺後側葉DLPを回収し、mRNA抽出後にTaqMan probeを用いたデジタルPCRを施行した。また、去勢マウスにアンドロゲンを補充した時のShh発現を検討する目的で去勢後、14日目に20 mg DHTペレットを皮下に埋設し、1, 3, 7, 14日目にDLPを回収し、デジタルPCRを施行した。なお、体内アンドロゲン濃度と遺伝子発現量の変動に関する指標として、アンドロゲン依存的に遺伝子発現するNkx3-1 mRNAも同時に測定した。その結果、去勢後速やかにNkx3-1 mRNA発現量は低下したものの、Shh mRNA発現量は経時的に増加し、そのピークは去勢後14日目であった。なお、去勢後28日目には偽手術群と同レベルにまで低下した。次に、去勢マウス皮下にDHTペレットを埋設したところ、Nkx3-1 mRNA発現量は速やかに偽手術群と同レベルに回復した。一方、Shh mRNA量もアンドロゲン付加後1日目で偽手術群と同レベルまで低下したものの、アンドロゲン付加後7日目をピークにShh mRNA発現量は増加した。 以上の結果より、マウス前立腺においても平滑筋細胞の分化やホメオスタシス維持に重要と考えられた上皮細胞由来Shhは体内アンドロゲン濃度の低下で発現上昇する因子であることが判明し、去勢マウス前立腺で観察される間質リモデリングの誘導には関与していない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、マウス前立腺におけるShh発現と体内アンドロゲン濃度との関係をデジタルPCRを用いて検証することを目標に実験を進め、予定通り、去勢マウス前立腺およびアンドロゲン付加後のShh mRNA発現量を定量解析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、無血清組織器官培養法を用いて、マウス前立腺の組織構築に対するShhの影響を検討する予定である。主に病理組織学的解析になると考えている。
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