2018 Fiscal Year Research-status Report
レトロトランスポゾン遺伝子PEG10を標的とした神経内分泌前立腺癌の新規治療開発
Project/Area Number |
17K11133
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤松 秀輔 京都大学, 医学研究科, 助教 (20767248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 俊成 京都大学, 医学研究科, 講師 (00607749)
井上 貴博 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80511881)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 神経内分泌癌 / PEG10 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経内分泌前立腺癌(NEPC)は前立腺癌に対してアンドロゲン受容体(AR)経路の阻害を行った結果、一部の癌細胞がARを発現せず神経内分泌マーカーを発現する神経内分泌分化を起こすことによって生じる。NEPCは肺小細胞癌に類似し、非常に悪性度が高く、現在有効な治療法はほとんどない。NEPCの増殖にはレトロトランスポゾン由来の分子であるPEG10が関与することが分かっており、本研究はその機序解明を目的とする。 予備実験においてはPEG10とE3ユビキチンリガーゼWWP2を過剰発現およびノックダウンさせることでPTENが同じような挙動を示すことを見つけた。 本年度の研究においてはWWP2過剰発現ベクターの遺伝子を変異させてユビキチン活性のないWWP2変異ベクター(WWP2-C838A)を作成した。それを用いてPTENおよびその下流のpAKTの変化を観察したが、当初想定していた結果が得られなかった。 WWP2はPTEN以外にもSMAD7やSOX2など癌進展と関連する基質が知られており、それらにも対象を広げてユビキチン化を介する細胞増殖への影響が存在するのか確認を試みている。 また、PEG10が直接結合する蛋白質の中で前立腺癌増殖に関して重要と考えられる分子はWWP2のほかに、mTOR経路で重要な因子であるEIF4G1が挙げられている。 EIF4G1は蛋白への翻訳を制御する重要な分子と考えられているため、DU145細胞でPEG10をノックダウンしてClick-SILAC法で網羅的蛋白質解析を行い、PEG10が蛋白質の翻訳に影響を及ぼすか検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
WWP2過剰発現ベクターを用いてPTENおよびその下流のpAKTの変化を観察したが、当初想定していた結果が得られなかった。E3ユビキチンリガーゼWWP2はPTEN以外にもSMAD2、SMAD3、SMAD7やSOX2など癌進展と関連する基質が知られており、それらが関与している可能性が考えられるため、対象基質を増やして研究を進めている。 また、PEG10が直接結合する蛋白質としてmTOR経路で重要な因子であるEIF4G1が挙げられている。EIF4G1は蛋白への翻訳を制御する重要な分子と考えられているため、DU145細胞でPEG10をノックダウンしてClick-SILAC法で網羅的蛋白質解析を行い、PEG10が蛋白質の翻訳に影響を及ぼすか検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
PEG10と直接結合する重要と考えられる分子にはWWP2以外にEIF4G1があがっており、現在Click-SILAC法でこの分子の影響を調べている。またユビキチン活性を持たないWWP2変異株があるので、WWP2の対象基質をPTEN以外にも広げてユビキチン化を介するのか調べていく。
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Research Products
(2 results)