2019 Fiscal Year Annual Research Report
Genome analysis during recurrence of urothelial cancer
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17K11136
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
日向 信之 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (10598816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 泰義 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (90806100)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尿路上皮癌 / 再発 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿路上皮癌は再発頻度の高い悪性腫瘍であり、その再発抑制は喫緊の課題である。再発の機序につき、これまでに特定の遺伝子の変異の有無についての検討がなされているが、尿路上皮癌が再発する際にどのようなゲノム異常が生じているのか、これらのゲノム異常が再発や悪性化に対してどのような役割を持っているかは解明されていない。同一患者における尿路上皮癌の初発、再発時における腫瘍組織標本に対する網羅的ゲノム解析を行い、尿路上皮癌が治療経過中に再発する過程に生じる遺伝子変異について、全エクソーム解析を行うことにより明らかにすると共に、新規治療ターゲットとなるゲノム変異を特定する。 神戸大学医学部附属病院において初発尿路上皮癌に対し治療が行われ、その後に再発を来した症例より腫瘍組織を採取し、初発時と再発時の腫瘍組織それぞれに対し全エクソーム解析を行った。現在までに4症例、初発時4検体、再発時5検体(1例再再発を含む)9検体の全エクソーム解析を行った。ゲノム解析プラットフォームとしてOmicia's Opal platformを使用した。これにより、初発時、再発時の遺伝子変異の比較、変異の及ぼす影響度を解析した。検体の平均depthは117で平均12046個のSNVを同定した。初発、再発で共通するSNVは4症例で平均10683個であり、系統樹解析からは、同一の起源と考えられるが、本解析のみでは播種と多中心性発生のいずれかを結論づけることはできなかった。The Cancer Genome Atlasで報告のあった遺伝子の変異も多く認められた。再発症例に共通してみられる変異遺伝子としてFAM8A1、HLA-DRB1、HLA-DRB5、HRNR、NBPF1、NBPF10、NBPF20、PABPC3が認められた。今後これらが再発かかる機序の解明や、症例を増やしての検討を行う予定としている。
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