2017 Fiscal Year Research-status Report
尿路上皮癌増殖因子ラミニンγ2測定による腎盂尿管癌の高感度腫瘍マーカー開発と応用
Project/Area Number |
17K11144
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
執印 太郎 高知大学, その他部局等, その他(教授相当) (70128601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辛島 尚 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (60304672)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腎盂尿管癌 / ラミニン |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】腎盂尿管癌は症状に乏しく診断に際して疾患特異的腫瘍マーカーが無いため早期発見が困難である。我々は膀胱癌の腫瘍マーカーとしてラミニンγ(ガンマ)2単鎖の高感度ELISA測定系を開発した。ラミニンγ2単鎖は、尿路上皮癌細胞に高発現する腫瘍増殖因子蛋白である。特に腎盂尿管癌患者の尿では異常な高値を示すことが示唆されている。本研究は、腎盂尿管癌患者由来の尿ならびに血液を用いてラミニンγ2単鎖を測定することで、腎盂尿管癌における新規診断マーカーの開発応用を行うことを目的とする。【研究実績】本年度は、臨床検体を用いた研究に先立ち、胸腺無形性ヌードマウスを用いた腎盂癌モデルの確認を行った。Yamashitaらの文献をもとに、一部手技の変更を加え、経尿道的同所移植モデルを製作した(Yamashita M et al., Cancer Gene Ther. 2002 Aug;9(8):687-91.)。尿路上皮癌細胞株のなかで、比較的ラミニンγ2単鎖を高発現しているKU-7ならびにKMBC-2を中心に腫瘍の生着率を検討した。KU-7は比較的効率に腫瘍生着を認めたが、KMBC-2においては低率かつ不安定であった。また、生着率の確認においては、病理組織学的な検討に加え、ルシフェラーゼ遺伝子導入を行い、IVIS imaging systemを用いた蛍光発光の観察を体外診断にて行った。 一方、ヒト由来臨床検体を用いたラミニンγ2単鎖の測定においては、検体保存方法における測定値の安定性に変動があり、検体保存方法と測定系の再検討を行っている。このことより、現在プロトコール製作ならびに倫理委員会申請の過程にとどまっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト由来臨床検体を用いたラミニンγ2単鎖の測定においては、検体保存方法における測定値の安定性に変動があり、検体保存方法と測定系の再検討を行っている。このことより、現在プロトコール製作ならびに倫理委員会申請の過程にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ラミニンγ2単鎖測定における、安定した検体保存方法と測定系を再度検証する。現在、概ね保存方法と測定系の概要が固定してきたため、倫理委員会承認後に検体採取と測定を予定する。 また、基礎的研究においては、ラミニンγ2単鎖高発現株を遺伝子導入により人為的に製作し、より効率な腫瘍生着モデルを製作する予定である。
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