2018 Fiscal Year Research-status Report
The development of new BCG Immunotherapy against bladder cancer with immune checkpoint inhibitor
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17K11147
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武内 在雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30586756)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / BCG / 免疫チェックポイント阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
表在性膀胱癌、すなわち筋層非浸潤性膀胱癌(non-muscle invasive bladder cancer)は、基本的に初期治療として経尿道的膀胱腫瘍 切除術(TURBT)が行われ ている。そのTURBTにより、筋層非浸潤性膀胱癌の治療は著しく改善されてきたが、TURBTだけでは膀胱内再発・進展を完全に防止することはできず、TURBT施行後の再発防止目的で、BCG(bacillus Calmette-Guerin)の膀胱内注入療法が行われている。しかしBCG療法の有用性に関するエビデンスが蓄積されているに関わらず、その激しい副作用故、治療継続が出来ないこと が多い。そこで本研究では、BCG+抗PD-1(PD-L1)抗体を使用し、より抗腫瘍効果の高い、またより副作用の少ないBCG治療の確立を目指している。 1. 我々はすでにBCG+抗PD-1抗体がBCG単独療法よりもより強力な抗腫瘍効果を示すという結果を得ている。 2. 治療後28日目でその膀胱腫瘍を摘出しコラギナーゼ処理を施し、好中球、リンパ球を抽出。FACSにて実際に抗腫瘍効果に関与する好中球が効率的に誘導されているのかを確認したところ、その誘導に差はなかった。その他、CD8 Tリンパ球、NK細胞などもその誘導数に差はなく、リンパ球、NK細胞の性質が抗腫瘍効果に関与している可能性が示唆された。 3. CTL活性(細胞障害性Tリンパ球活性)、NK活性を測定したところ、BCG+抗PD-1抗体がBCG単独療法よりもより強力な活性を示すことが分かり、そのことが抗腫瘍効果の差に表れている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗腫瘍効果マウスにてBCG-抗PD-1抗体とBCG膀胱内注入療法を行い、21日目でマウスの背側に新たな腫瘍を皮下注を行った。この腫瘍を所謂遠隔転移とみなし、その腫瘍径を測定したところ両者においてその差が認められた。その原因検索に現在注力しているが、このことはBCG療法が遠隔転移にも効果を認める可能性が示唆されたからである。当初の予定通り実験計画は遂行できているものと考える。現在までは2018年までに購入済みであった抗体、薬品、マウスのみでほとんどの実験が遂行出来てきたが、今後はマウスの購入、新たな薬品購入などが必要となることが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までBCG-抗PD-1抗体ブ治療群においてCD8 Tリンパ球、NK細胞の誘導に差がなかった為、リンパ球の性質に差があることが予想され、分画、細胞数、活性に差があった細胞を抗体を使用しマウス体内から消失させ、その細胞群が本当に抗腫瘍効果に関与している のかを再度確認する。 さらに抗PD-1抗体添加によるメモリータイプCD8+ Tリンパ球の維持機構を解析するため、膀胱注入療法を行ったB6マウスの膀胱、脾臓、リ ンパ節よりCD8+Tリンパ球をMACSで分離し、さらにCD44highCD62L-Ly6c+(メモリータイプ)とCD44highCD62L+Ly6C-Tリンパ球をセルソ ーター(FACS vantage)でソーティングしてアポトーシスの有無をDNAフラグメンテーション, ヨウ化プロピジウム染色, hypodiploid DNA量, アネキシン・(フロサイトメーター)にて調べる予定である
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Causes of Carryover |
前述したが現在までは2018年までに教室にて購入した抗体、薬品、マウスのみで実験が遂行出来てきたが、今後はマウスの購入、新たな薬品購入などが必要となることが予想される。今後は組織および培養細胞の遺伝子、発現解析、タンパク解析、実験動物を使った治療モデルでの研究が中心となる。そのため、各年度、実験に必要な試薬や動物実験に必要な経費および研究結果を発表するための英文校正(謝金)、論文掲載料、学会発表のための出張旅費をが必要になるものと考える。
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