2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of the oncogenic microRNA by the genome editing aiming at the development of the innovative renal cancer treatment
Project/Area Number |
17K11148
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井手迫 俊彦 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10642613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 裕史 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (90642611)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 腎癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的は、これまでに殆ど研究が進んでいなかった癌促進型マイクロRNAの機能解析と標的遺伝子探索をCRISPR/Cas9と呼ばれる第3世代のゲノム編集技術を用いて行うことである。本研究では、次世代シークエンサーによる腎癌や膀胱癌といった泌尿器癌で発現が亢進しているマイクロRNA発現プロファイルから、増殖/転移に関わる癌促進型マイクロRNAを探索して、それらが制御する分子ネットワークの描写を試みる。以上の検討により、癌における癌促進型マイクロRNAが制御する増殖/転移機構の解明を行い、その経路を遮断する既存治療薬の効果を検討する。このような過程を経て現在、治療の選択肢が非常に少ない進行性癌に対して、新たな治療戦略の探索に繋がる知見を得ることを目的とする。 今年度の研究成果として、癌抑制型マイクロであるマイクロRNA-99a-3pに関する実験結果を論文化することが出来た。マイクロRNA-99a-3pは親細胞と比べ当科で樹立したスニチニブ耐性腎細胞癌細胞株(SU-R-786-o)において有意な発現抑制が認められた。マイクロRNA-99a-3pをSU-R-786-oに核酸導入する事で、癌細胞の増殖が有意に抑制され、アポトーシスが誘導された。マイクロRNA-99a-3pが制御する分子として、DNAの重合および修復に必要なデオキシヌクレオチドの合成に関与するRRM2が挙げられた。RRM2はSU-R-786-oで発現が亢進しており、siRNAを用いた機能解析から、SU-R-786-oにおいてアポトーシスを介した増殖能の抑制を認めた。また腎癌患者においてRRM2の高発現群は予後不良因子である事が示された。
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