2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K11149
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
橋本 浩平 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40404678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舛森 直哉 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20295356)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性 / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺がんの去勢抵抗性獲得機序におけるがん微小環境変化の関与を明らかにする。前立腺癌関連線維芽細胞(CAF)と正常線維芽細胞(NPF)におけるエストロゲンにより誘導される発現シグナルの網羅的解析について、E2に誘導されCAFで発現亢進している遺伝子、ケモカインCXCL12を同定した。前立腺癌間質におけるエストロゲンの作用と肥満細胞の役割を明らかにするため、明らかとなったCXCL12のCAFと肥満細胞へ及ぼす影響を3次元共培養モデルを用いて明らかにする。 肥満細胞はHMC-1細胞を用いた。HMC-1にCXCL12の受容体CXCL4の発現を確認し、リコンビナントCXCL12でHMC-1の遊走能が亢進し、CAFの培養上清で再現された。CAF培養にascorbic acidを加えることで、細胞外基質の増生を促進させた3次元共培養モデルを用いた。CAFおよび肥満細胞による前立腺がん細胞への影響を確認する前に、肥満細胞による前立腺がん間質の影響を確認するため、上皮細胞として前立腺肥大症細胞株BPH-1を用い、上記CAF培養モデルで上皮細胞の変化をMetamorpho解析ソフトを用いて検討した。CAFに肥満細胞HMC-1を加えることでBPH-1細胞の形態が細長く変化し、一定の方向に向くことを明らかにした。これらBPH-1の変化はHMC-1の培養上清で再現されることを確認した。また、HMC-1の共培養によりBPH-1細胞の遊走能が亢進、特に一定方向の遊走が持続されることが明らかとなった。肥満細胞の脱顆粒を誘発させるcompound4880でBPH-1の変化が亢進され、阻害剤cromolynで抑制されることを確認した。HMC-1の共培養、培養上清のタイミングを変えることで、BPH-1への肥満細胞の影響が、直接的でなく、細胞外基質の変化を通じCAFからの間接的な影響である可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CAFおよび肥満細胞による前立腺がん細胞への影響を確認する前に、肥満細胞による前立腺がん間質の影響を確認するため、上皮細胞として予定していた前立腺がん細胞株PC-3ではなく、前立腺肥大症細胞株BPH-1を用いて確認することに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記3次元共培養モデルを用いて前立腺がん細胞株PC3細胞において、HMC-1細胞による形態変化、遊走能が亢進することを確認する。アンドロゲン除去下のCAFに特異的に発現する遺伝子Xを同定し、遺伝子XをCAFに強発現させることで、PC-3にどう影響を及ぼすかを確認する予定である。
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