2017 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of the novel treatment strategy against urothelial carcinoma controlling for cancer stem-like property
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17K11157
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊地 栄次 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10286552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 威雄 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30445407)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尿路上皮癌 / 癌幹細胞 / 抗癌剤耐性 / シスプラチン |
Outline of Annual Research Achievements |
筋層浸潤性膀胱癌 63検体を用いてCD44v9の発現を確認した。免疫組織学的検討においてCD44v9高発現群 (n=19, 30%)と低発現群 (n=44, 70%)の2群に分けると、CD44v9高発現群の5年癌特異的生存率は45.5%でCD44v9低発現群 (90.4%)と比較して有意に低い値であった (p<0.001)。Cox比例ハザードを用いた多変量解析においてCD44v9は独立して癌死に関連していた。よってCD44v9の高発現は筋層浸潤性膀胱癌の予後予測因子と考えられた。 抗癌剤耐性膀胱癌株T24PR (platinum-resistant subline of T24)と親株であるT24を比較し癌幹細胞の抗癌剤耐性への関与の検証を行った。CD44v8-10、シスチントランスポーターの一サブユニットであるxCT蛋白発現はT24株と比較しT24PR株において有意に高かった。シスプラチン投与におけるIC50はT24PR株において19.3uMでT24株の4.1uMと比較し約5倍高かった。T24株と比較してT24PR株において細胞内のグルタチオン濃度は有意に高く、シスプラチン投与においてROSの産生は有意に低かった。CD44v8-10をターゲットとしたsiRNAを用いてCD44v8-10をノックダウンしたところ、T24PR株においてシスプラチンに対する治療感受性の回復が確認された。 以上のことから癌幹細胞のマーカーと考えられるCD44v9は筋層浸潤性膀胱癌の予後と関連し、シスプラチン耐性膀胱癌細胞株においてはCD44v8-10発現が亢進しており、シスプラチンに対するROSの産生の低下が認められた。CD44v8-10が抗癌剤耐性獲得機序に強く関連することが立証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は臨床組織検体を用いた尿路上皮癌幹細胞存在の臨床的意義、抗癌剤耐性膀胱癌株を用いた癌幹細胞の抗癌剤耐性への関与の検証を研究計画としており、それぞれ筋層浸潤性膀胱癌におけるCD44vの予後因子としての有用性、抗癌剤耐性株におけるCD44vの役割について検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は喫煙が癌幹細胞発現や抗癌剤耐性へ及ぼす影響の機序解明、癌幹細胞とPD-1/PD-L1の直接的関連の検証、マウス皮下腫瘍膀胱癌モデルを用いた癌幹細胞を直接ターゲットとした新規治療の効果検証を進める予定である。
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Research Products
(2 results)