2018 Fiscal Year Research-status Report
アミノ酸代謝リプログラミング機構に着目した前立腺癌に対する新規診断・治療法の確立
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17K11163
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
住友 誠 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50255535)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 去勢抵抗性前立腺癌 / アミノ酸トランスポーター / アミノ酸リプログラミング / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.前立腺癌細胞株を用いて、組織内アミノ酸含有量をイオン交換・ポストカラム誘導化high performance liquid chromatography (HPLC)法で定量した。その結果、去勢環境下における細胞内アミノ酸、特に、グルタミン、フマル酸、トリプトファンなどの増加を認めた。これらのアミノ酸を主に輸送するトランスポーター候補には、予想通り、代表的なアミノ酸トランスポーターであるL-type amino-acid transporter 1 (LAT1, LAT3が考えられた。 2.前立腺癌手術標本および前立腺生検組織標本を用いたLATの免疫組織学的染色によって、LAT1発現が前立腺癌のGleason Scoreおよび去勢抵抗性前立腺癌移行との相関傾向が認められることが判明した。 3.LAT1を抑制する種々の方法(siRNAやJPH203)による前立腺癌細胞株(LNCaPおよびC4-2)に対する増殖抑制効果が認められた。現在、単独効果および従来治療(内分泌療法、化学療法、放射線治療)との併用効果で検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床検体を用いた免疫組織学的検討は順調だが、動物モデルを用いた実験系に着手できていない。また、2018年度途中で所属機関の変更があったことから、継代細胞モデルの継続に手間取っている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を用いた免疫組織学的検討を推進する。動物モデルを用いた実験系に着手できるように準備を進める継代細胞モデルの実験系については、現状で入手できる前立腺癌細胞の基本的な性質を再度確認し、現在までに得られた知見の再現性を確認した上で、予定した併用薬実験を推進する。
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Causes of Carryover |
動物実験モデルの実験を次年度に持ち越したため、動物購入費用および実験に用いる試薬などの購入費用が当初予定よりも増加することが予想される。また、研究成果発表を行う機会が増える理由から、学会出張関係の旅費の増額が予想される。
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