2017 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of new therapy for prevention of recurrence of the bladder cancer by macrophage control.
Project/Area Number |
17K11164
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
能見 勇人 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80418938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 治人 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40231914)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | BCGマクロファージ / M1マクロファージ / 腫瘍関連マクロファージ / 膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ⅰ). BCGを療法によるBCG-マクロファージ(Mφ)の誘導時において腫瘍関連マクロファージ(TAM)が減少するのか否かの検証:BCGをマウス腹腔内に投与し、3日後と6日後のマウスの腹腔内をPBSで洗浄し腹腔浸潤細胞を抽出、この中から遠心分離よりにBCG-Mφを含む分画を抽出した。この分画のMφはCD11b陽性、F4/80陽性、CD11/c陽性でありM1-Mφが主体と考えられる。しかし、現在のところ、M2-Mφのマーカーでの検証結果が安定せず、M2-Mφの同定方法の検証を継続している。したがって、BCG療法の作用機序がBCG-Mφ(M1-Mφ)の活性化のみであるのかもしくはM2-Mφにも関与するのか、さらにはTAMを抑制するのか否か結論を導くためには、今後も検討と検証を重ねる必要がある状況である。 ⅱ).BCG-Mφが抗腫瘍効果を発揮できるマウスの腫瘍細胞株をMeth A繊維肉腫細胞での検索;DBAマウス由来の繊維肉腫であるMeth A細胞に対する、BCG-Mφの抗腫瘍効果(消防障害活性)を確認することができたが、これは上記のM1-Mφによる効果によるものと考えられる。しかし、上記ⅰ)で記載したようにM2-Mφの同定方法もしくはTAMの同定方法が検討中であり、Meth Aに対する抗腫瘍効果にM2-MφもしくはTAMがどのように関与しているかは今後の検討課題である。膀胱癌細胞などMath A細胞以外の細胞腫に関しても、今後検証をすすめたい。 ⅲ).Balb/cマウス腹腔内へMeth A繊維肉腫細胞に対する、新規免疫制御御物質であると考えられる物質X (物質名;未公表)による腫瘍抑制効果を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記実績において、M2-Mφのマーカーでの検証結果が安定しないことは、M2-Mφの表面マーカーの発現が低い可能性、急性炎症時にはM2-Mφ自体の発現が少ない可能性などが考えられる。また、M1,M2よりさらに詳しくマクロファージを分類すべきとの意見もあり、マウス腹腔にBCG投与を投与して活性化されるマクロファージをそもそもM1,M2の2分画のみに分類することに難がある可能性まであり、BCG-Mφの分類とその同定方法の再考まで含めるべきとも考えている。BCG-Mφの組成の探求方法を一部模索しており、Mφの分類に当初予想したよりも時間を要しており、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の平成29年度の実験により得られた知見から、M1-Mφ、M2様マクロファージの分類と、BCG投与後の期間による増減につきさらなる検証をすすめ、上記物質Xのもっとも有効な方法とタイミングを勘案し、最も有効と考えられる物質Xの投与方法を用いた制御方法を検証する。その結果から勘案し、BCG-Mφの抗腫瘍効果と物質Xによる抗腫瘍効果が最大となる方法を検討する。これを用いてヌードマウスにおける数種類の腫瘍細胞をそれぞれの移植モデルを作成し、BCG-Mφと物質Xの抗腫瘍効果を検討したい。また、膀胱癌移植モデルにおいても腫瘍の増殖の過程において、前述の物質XのBCG-Mφ、や同種異型BCG-Mφ(M1)を投与することで抑制できるか否かを検証する。 Meth A繊維肉腫細胞に対する新規免疫制御物質(物質X)による腫瘍抑制効果を明らかにすることができたが、Meth A細胞特有の生体反応である可能性が残ることも懸念されるため、今後さらに、マウス腹腔内にて増殖するマウス繊維肉腫であるMeth A細胞、以外のマウスの細胞、さらにラット膀胱癌細胞株などの腫瘍株をヌードマウス腹腔内に異種移植し、これらが物質Ⅹにより生着することが阻害されるか否かにつき検証を進める必要があると考えている。 そして、ヒトもしくはラット膀胱癌細胞をヌードマウスの腹腔内や膀胱壁に異種移植し発育させ、これをマクロファージ制御にて腫瘍発育を抑制する方法の開発を進めたい。
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Research Products
(2 results)