2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on the analysis of genitourinary tract infections using a next generation sequencer
Project/Area Number |
17K11183
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
和田 耕一郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (20423337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 亜矢乃 岡山大学, 大学病院, 准教授 (00423294)
定平 卓也 岡山大学, 大学病院, 助教 (20733322)
渡邉 豊彦 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30432644)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尿路感染症 / 感染予防 / 次世代シーケンサー / 細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、尿路感染症に関する臨床研究のデータ解析を中心に研究を実施した。主に、閉経後女性50例の膣と直腸、および尿路感染症発症者は尿を加えた細菌(叢)の解析を次世代シーケンサーを用いて行った。その結果、直腸と膣内細菌叢に相関を認めたのは9例(非常に強い相関)、6例(強い相関)、6例(やや相関)の計22例(44%)であった。同一の被検者群においてLactobacillus brevisを1ヶ月間服用させたところ、17例において直腸細菌叢に、14例において膣内細菌叢に変化を認めた。直腸細菌叢および膣内細菌叢に変化を認めたのは、過去1年間に膀胱炎の既往がある被検者群で有意に高率であった。また、子宮摘除後の被検者(14例)および糖尿病に罹患している被検者(9例)の方が、細菌叢に変化がみられる傾向にあった。内服後に直腸と膣内細菌叢に相関を認めたのは12例(26%)であり、乳酸菌の服用によって直腸細菌叢が変化し、その一部で膣内細菌叢も変化したことを示唆する結果であった。研究期間中に膀胱炎を発症した症例における、尿中分離菌と細菌叢との関連については現在解析を施行中である。なお、以上の研究は岡山大学の研究倫理審査専門委員会の承認を得てすべて施行した。 尿路性器感染症予防に関連し、当科で以前から施行しているL. crispatusの乳酸菌膣坐剤については、「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」に基づく臨床研究から、特定臨床研究として認定倫理委員会で承認された。本件申請に際し、膣坐剤の挿入期間(1年)開始前、期間中、期間終了後に細菌叢の解析を行う予定でおり、本研究課題である尿路性器感染症の感染経路に関する病態解明と予防に資すると考えられる。 性感染症については、臨床研究法の施行に伴って侵襲を伴うスワブ検体の採取が困難であるため、多施設で一般臨床のデータ収集を行う準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は尿路感染症と性感染症の病態解明を行うものである。尿路感染症の病態解明については、細菌叢の解析を次世代シーケンサーで順調に解析中であるが、性感染症については、クラミジアや淋菌採取のために尿道スワブを採取する必要があり、侵襲を伴う研究であるため現時点で採取できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
尿路感染症に関しては、膀胱炎の原因菌と膣および直腸細菌叢との関連について解析を行う。さらに、若年者(閉経前)女性の直腸、膣、尿検体の採取について倫理指針に則った研究計画書を作成している。性感染症については、侵襲を伴わない代替案として、微量な菌量となる初尿およびうがい液のデータ収集を関連施設に打診し、検討しているところである。
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Causes of Carryover |
臨床研究法の施行に伴い、性感染症患者に関する臨床研究の施行が滞っている。性感染症患者の検体(咽頭スワブ、尿道スワブ、子宮頸管スワブ)について次世代シーケンサーで解析予定であった分の金額(60-70万円)を次年度使用として計上している。また、情報収集目的に参加予定であった欧州泌尿器科会議の出張費(30-40万円)について、研究責任者がJUA/EAU Academic Exchange Programmeに選出されて旅費が支給されたことから、当該出張費に当たる額を次年度使用として計上した。
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