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2019 Fiscal Year Research-status Report

膀胱再生を目指した排尿平滑筋幹細胞の創出とその応用

Research Project

Project/Area Number 17K11184
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

渡邉 豊彦  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30432644)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡部 昌実  岡山大学, 大学病院, 教授 (70444677)
植木 英雄  岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (90537218)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords再生医学
Outline of Annual Research Achievements

国際禁制学会標準化委員会では,排尿筋低活動あるいは排尿筋無収縮のみ定義されており,低活動膀胱の定義は現在のところ確立されているものはない。排尿筋低活動は膀胱内圧尿流検査に基づいて「排尿筋収縮力の低下あるいは収縮時間の短縮で,排尿時間が延長したり,正常時間内に膀胱内の尿を完全に排出できない」と定義されているが,低活動膀胱は排尿筋障害に限定されるものではなく,求心性知覚神経,中枢神経,遠心性運動神経および排尿筋での障害が複合的に低活動膀胱に関与し,膀胱機能のいわば終末像とも言える。低活動膀胱の定義や診断基準が確立されていないため,正確な有病率は不明であるが,本邦での40歳以上の男女を対象とした疫学調査では,尿勢低下は男女ともに加齢とともに上昇し,尿流動態検査による検討では,排尿筋低活動は男性で40%前後,女性で15%前後に存在すると報告されている。このように低活動膀胱はその実態がいまだ明らかにされてはいないため,有効的な治療は存在せず,尿道カテーテルを留置されたまま放置されている患者も多い。このような状況の下,近年,本病態のメカニズムの解明,有効な治療法の確立へ向けた動きが活発となっている。
我々の施設では従来より,臨床化へ向けた再生医学の基礎研究を進めてきたが,低活動膀胱に対する新しいアプローチとしての膀胱再生を目指した基礎研究もそのひとつである。本研究の目的は,膀胱収縮力獲得を目的とした尿路平滑筋細胞の創出,さらに得られた平滑筋細胞移植による膀胱再生である。具体的方法論は,組織特異的幹細胞分離法を用いて間葉系幹細胞,排尿平滑筋幹細胞を誘導・分離し,膀胱機能が荒廃した膀胱に移植することにより膀胱収縮,機能改善をはかることである。本年度は,排尿平滑筋幹細胞株樹立へ向けた基礎実験を行ない,間葉系幹細胞を用いた尿路平滑筋細胞分化への基礎的な実験を行なった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

低活動膀胱に対する新しい治療アプローチとして,排尿効率を求めた機能的な膀胱再生を本研究の最終目標に置いている。本年度は,排尿平滑筋幹細胞株樹立へ向け,間葉系幹細胞を用いた尿路平滑筋細胞分化への基礎的な実験を行なった。

Strategy for Future Research Activity

組織特異的幹細胞分離法を用いて間葉系幹細胞,排尿平滑筋幹細胞を誘導させ分離するための基礎実験においては,間葉系幹細胞から排尿平滑筋細胞への分化を確認できている。尿路平滑筋細胞における発現活性を高める手法の確立へ向けた基礎的実験を行う予定である。

Causes of Carryover

本年度研究において,本年度は,排尿平滑筋幹細胞株樹立へ向け,間葉系幹細胞を用いた尿路平滑筋細胞分化への基礎的な実験を行なった。予定と比べて未使用額が生じたのは,分化効率の優れたプロモーターの特定ができなかったため,尿路平滑筋細胞における発現活性を高める手法を確立するまでには至らず,引き続き予定していた実験の一部が進まなかったためである。今年度の未使用額を次年度分にあてがい,引き続き研究目的の達成に向け実験を遂行する予定である。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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