2018 Fiscal Year Research-status Report
Study for detection and treatment of multidrug-resistant Mycoplasma genitalium
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17K11193
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
濱砂 良一 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (30189609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 正広 産業医科大学, 医学部, 助教 (20580294)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Mycoplasma genitalium / キノロン耐性 / parC / efflux pump / moxifloxacin耐性 / sitafloxacin耐性 / アミノ酸変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
M. genitaliumは男性尿道炎、女性の子宮頚管炎の原因微生物で、現在世界的にM. genitaliumの薬剤耐性化は顕著となっている。しかし、M. genitaliumの臨床検体からの分離培養は極めて困難であり、耐性株の分離による耐性機序の検討は重要である。我々はこれまで、マクロライド耐性、キノロン耐性(moxifloxacin;MFLX耐性およびsitafloxacin: STFX耐性)株を分離培養しており、その耐性機序の検討を行ってきた。 マクロライド耐性は23SrRNAの遺伝子変異で起こり、我々の検討では臨床検体から分離されたM. genitalium遺伝子の42%はマクロライド耐性の変異を示していた。キノロン耐性のうちMFLX耐性はparC遺伝子のSer83がIleへのアミノ酸変異が高い関連性があることを報告してきた。今回、新たな株を分離することにより、同部位の変異が異なるアミノ酸変異となることで、MFLX耐性が感受性となることを見出した。Ser83のアミノ酸変異ではIleへの変異ではMFLX高度耐性となるが、他のアミノ酸変異ではキノロン耐性とならないことが判明してきた。この同部のアミノ酸変異の違いがキノロンへの感受性を決定する可能性がある。現在、我々は本変異の違いの解析を、遺伝子の立体構造の面およびキノロン薬への親和性の違いより解析している。 これとは別に、キノロン耐性とefflux pumpとの関連を検討している、efflux pump inhibitorであるNMP, PAβNは高濃度で作用させると、キノロン耐性でM. genitaliumの増殖を阻害することを学会報告している。しかし、本作用の阻害効果はわずかであり、キノロン耐性の主体はgyraseおよびtopoisomeraseの変異であることを想定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、M. geitaliumのキノロン耐性に関して、DNA gyraseおよびTopoisomerase IVに関連する遺伝子の解析およびefflux pumpに関わる機序の両面より検討している。遺伝子変異による検討は、新たな株の発見により今後、進んでいくと考えられる しかし、efflux pumpの関りはキノロン耐性全体から見て低いと考えられるため、efflux pump inhibitorによる増殖抑制効果を明確に示す実験を繰り返しており、やや進展が遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子変異に関わるキノロン耐性の検討は、新たな株の発見により新たな研究を行うこととなった。つまり、parC遺伝子のSer83がIleに変異すると キノロン高度耐性となり、他のアミノ酸に変異すると感受性となることが反映したため、このエビデンスを実証するため、DNAの3次元構造と抗菌薬との関連を行う方針である。
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Causes of Carryover |
主にM. genitalium株を分離、培養する尿検体の収取のための輸送費、および培養のための物品、消耗品を購入したが、収集できる検体数が少なかったため、輸送費の残金が生じた。今年度はDNAの3次元構造の解析を行うため、新たな物品を購入する予定である。また、2件の国際学会にて実績報告を行う予定である。
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