2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study for detection and treatment of multidrug-resistant Mycoplasma genitalium
Project/Area Number |
17K11193
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
濱砂 良一 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (30189609)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 正広 産業医科大学, 医学部, 助教 (20580294)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | Mycoplasma genitalium / キノロン耐性 / parC / Serine |
Outline of Annual Research Achievements |
Mycoplasma genitalium (以下MG)は男性尿道炎、女性子宮頚管炎の原因微生物であり、その薬剤耐性、特にマクロライドおよびキノロン薬に対する耐性が進行している。我々の研究室は、臨床検体からMGを分離培養することができる我が国で唯一の施設であり、MGの臨床分離株の薬剤耐性の検討した。 海外の研究施設でマクロライド耐性株が10数株分離されているが、キノロン耐性株は極めて少ない。我々は2004-2019年に日本人から35株を分離培養し、そのなかの14株がmofifloxacin (MFLX)のMICが1μg/ml以上のキノロン耐性株で、マクロライド耐性株は26株であった。これらの株のgyrAおよびparC遺伝子のキノロン耐性決定遺伝子を検討し、parC遺伝子のなかでSer83がIleへのアミノ酸変異を伴う遺伝子変異が最もキノロン耐性と関連があることがわかってきた。しかし、Ser83がAsnに変異する株ではキノロンのMICが上昇しないことを判明した。このメカニズムを解明するためキノロン薬が遺伝子に付着する部分の3次元モデルを作成し検討すると、Ser83がIleに変異することにより親水性から疎水性に変化し、キノロンがDNAを阻害できなくなり、Asnでは疎水性易変異しないため、キノロンの効果が表れるt高尾が明らかとなった。 さらに、ホロジック社が有するTMA法を用いて、本MG検出キットの検出限界を測定した。対象は我々が保有するMG20株で、世界的に標準法となっているMgPa遺伝子の一部を増幅するrealtime PCR法と比較した。TMA法ではrealtime PCRでの換算で0.1-1.0 DNA数で陽性となることが判明した。TMAは旧来の方法と比較して非常に高感度にMGを検出することが明らかとなった。今後は治療判定にも使用可能であるかを、臨床的に検討する必要がある。
|