2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of glycoconjugate microarray for the prediction of antibody mediated rejection in ABO incompatible kidney transplant
Project/Area Number |
17K11195
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田崎 正行 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40571906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 和英 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20262438)
舘野 浩章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30450670)
牛木 隆志 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80579152)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ABO不適合腎移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腎血管内皮細胞特異的ABO血液型抗原による新しい抗体価測定を開発し、ABO血液型不適合腎移植前に抗体関連型拒絶反応発症の高リスク患者を識別する手法となり得るか検証することである。 実際のヒト腎血管内皮細胞でABO抗原を持っているタンパク質であるPECAM1(CD31)の糖鎖結合領域を発現ベクターにクローニングし、プラスミドを作成した。ABO糖鎖抗原を発現させたHEK293細胞にトランスフェクションさせ、目的のCD31にABO糖鎖抗原が発現しているか免疫沈降とwesternblot、質量分析計で検証した。検証したHEK293培養細胞(CD31-ABO抗原発現)の培養上清中の分泌タンパク質を採取し、プレートに固相化しCD31-ABOアレイを作成した。 実際のヒトの血漿を使用し開発したCD31-ABOアレイにて抗A抗体、抗B抗体を検証した。特異性は問題がなく、従来行われている赤血球を用いた凝集反応による抗体測定結果と比較し、緩やかな相関関係があることが分かった。 次に、実際にABO血液型不適合腎移植を受ける前の患者血漿を用いて、抗A抗体、抗B抗体の測定を行い、移植後に急性抗体関連型拒絶反応が起きることを予測できるか検討した。A不適合腎移植においてCD31-ABOアレイは従来法と比較し優位に急性抗体関連型拒絶反応を予測しうることが示唆された。B不適合腎移植において、CD31-ABOアレイは従来法と比較し急性抗体関連型拒絶反応を予測する感度は同等だったが、特異度は100%だった。B不適合腎移植の検体数が少なかったため、さらに検体数を増やして検証する必要がある。 以上の結果より、我々が新規に開発した腎血管内皮細胞に特異的な抗A、抗B抗体測定法であるCD31-ABOアレイは、移植後の急性抗体関連型拒絶反応を正確に予測できる可能性が示唆された。
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