2017 Fiscal Year Research-status Report
上皮成分にフォーカスした子宮内膜症の増悪分子機構の解明と新規治療ターゲットの探索
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17K11218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 哲也 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30431860)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮内膜症上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症研究の難しさは、発生原因が仮説の域をでないこと、そして、病巣の主要な構成成分である子宮内膜症上皮細胞の分離培養の困難さにあると考える。そのため、我々も含めて、卵巣子宮内膜症から分離培養した子宮内膜症間質細胞、もしくは、子宮内膜症患者の正所性子宮内膜を用いて研究を行っていた。しかし、子宮内膜症間質細胞においては、子宮内膜間質のマーカーCD10を発現している細胞はごくわずかで子宮内膜症の発生のメカニズム、病態生理、癌化に関する研究においても、やはり子宮内膜症上皮細胞を用いた検討が必要である。子宮内膜症の病態の解明には、子宮内膜症上皮にfocusすることが必須であると考え、我々は、子宮内膜症上皮細胞そのものの性質に注目し、研究を行うこととした。
子宮内膜症上皮に対する網羅的遺伝子解析の結果から上流解析、下流解析を行うことで、子宮内膜症に関連する経路を推定することができた。また、免疫染色法にて、これらの経路に関連する分子が、子宮内膜症組織中に確かに発現していた。現在、子宮内膜症上皮細胞セルラインを用いて、これらの結果のvalidationを行っている。 これらの分子は、また治療ターゲットになりうるため、現在、in vitroで機能解析を行ったうえで、マウス子宮内膜症モデルを計画し、臨床応用につなげていく予定である。 また、網羅的遺伝子解析の結果、抽出された子宮内膜症上皮細胞に高発現な分子は、組織中での発現を確認するために、網羅的に組織を用いて面積染色を行っている。いずれも、組織中においても子宮内膜症上皮細胞に高発現であり、データの確からしさを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は、特任研究の進行状況に問題はない。 さらに、稀少部位子宮内膜症の領域にも研究を拡大していくため、その分、今後遅れてくる可能性はある。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroの検討を重ねたうえで、早い段階でマウスモデルを用いたin vivoでの検討に持ち込み、新規治療法の開発につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
網羅定期遺伝子解析を予定しており、それにコストがかかる予定。研究進行のタイミングによるもので、研究費は大体予定通りに使用していくことになる。
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Research Products
(3 results)