2017 Fiscal Year Research-status Report
A treatment strategy for gastrointestinal development of extremely premature infants: Administration of micelles derived from pulmonary surfactants and vernix caseosa in a pregnant animal model
Project/Area Number |
17K11224
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
西島 浩二 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (80334837)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺サーファクタント / 胎脂 / ミセル / 超低出生体重児 / 壊死性腸炎 / 体内分布評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
羊水中に存在する肺サーファクタントと胎脂の体内動態を評価するために、125I(American Radiolabeled Chemicals Inc.)で標識された肺サーファクタント製剤(サーファクテン:田辺三菱製薬)を用いた動物実験を行った。SIB法を用いて、125I標識サーファクテンを合成し、塩酸メデトミジン、ミダゾラム、酒石酸ブトルファノールによる3種混合麻酔下に、125I標識サーファクテンを妊娠ウサギ羊水腔内(右子宮卵巣端第1位)に投与した。60分後、12時間後、24時間後、48時間後に帝王切開を行い、母体と胎仔の125I標識サーファクテンの体内分布を検討した。本実験は、福井大学動物実験委員会の承認の下、福井大学松岡キャンパス共同利用施設放射線障害予防規程に則って行われた。 羊水腔に投与された125I標識サーファクテンは、投与後30分で母体血中に移行した。その後、母体の各臓器に移行し、大部分は尿から排出された。また、125I標識サーファクテンは、投与胎仔と投与群以外の胎仔の全臓器に分布した。中でも、胃、胃液、腸管への集積率が高かった。 本実験において母体と胎仔から検出された放射線は、125I標識サーファクテンそのものではなく、125I標識リン脂質(DPPE)由来である可能性が高い。報告者はこれまで、サーファクテンミセル溶液の持つ未熟腸管への保護作用に着目し、研究を進めてきた。本研究で示されたように、出生直後の新生児の消化管に高濃度の肺サーファクタントの成分が存在することは、新生児の発育の過程を考える上で非常に興味深い。本研究を更に発展させることにより、羊水中に存在する肺サーファクタントと胎脂の生物学的役割を明らかにし、ヒトの発生段階における肺-皮膚-消化器間の相互関係の解明がなされることを期待する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本学高エネルギー医学研究センターの協力のもと、順調に動物実験を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を踏まえた上で、サーファクテンミセル溶液の臨床応用に向けて、動物実験を継続し発展させる。
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