2017 Fiscal Year Annual Research Report
先天性横隔膜ヘルニアの予後向上に向けて ~肺高血圧に着目した病態解明と治療戦略~
Project/Area Number |
17K11227
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
津田 弘之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40571328)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 先天性横隔膜ヘルニア / 肺高血圧症 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠9日目のSDラットを対照群(C群)、ニトロフェン群(CDH群)、ニトロフェン+VD群(VD群)の3群に分けた。ニトロフェンは100mg/dayを経口投与し、VDはニトロフェン投与後にカルシトリオール0.03μg/kg/dayを浸透圧ポンプに充填して、皮下へ埋め込み持続投与した。妊娠21日目に帝王切開にて各群の胎仔を娩出し、出生5分で全血を採取後、CDHの有無を確認したのち肺組織を採取した。呼吸機能の評価として出生5分時の血液ガス分析を施行した。また、肺組織はHE染色およびEVG染色を行って肺胞構造・肺血管壁肥厚を評価し、免疫組織染色にて肺成熟および血管リモデリングを評価した。 CDH群とVD群で胎仔の肺重量体重比に変化は見られなかったが、血液ガス分析では、CDH群に比してVD群でpH, pCO2, pO2の有意な改善を認めた。また、組織学的評価において、肺胞化の指標であるRadial saccular countおよび肺動脈リモデリングの指標であるmedial wall thicknessの有意な改善をVD群で認めた。肺動脈における免疫染色では、CDH群に比してVD群でVEGFおよびET-1の発現が低下し、血管リモデリングの改善が示唆された。 また胎仔より、顕微鏡を用いて肺動脈を単離することにも成功した。 肺動脈に対して、PDGFならびにPDGF-Rの発現をRT-PCRで調べたが、明らかな有意差は認めなかった。したがって、各群の胎仔肺動脈をMicroarray検査に提出した。現時点で、特記すべき結果は得られていない。
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