2018 Fiscal Year Research-status Report
Epigenetic change by perinatal inflammation and its regulation
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17K11230
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小谷 友美 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (70359751)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 早産 / 炎症 / 自閉症スペクトラム / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
胎内炎症曝露により自閉症スペクトラム様所見を呈したモデルをMIA(maternal immune activation)モデルとして解析してきた。また、このMIAモデルに出生前 に分子状水素投与した群(水素投与群)では、自閉症スペクトラム様所見が改善していることはすでに確認している。今年度は、自閉症スペクトラム様所見が改善するメカニズムについて、5週齢のマウスでアストロサイト活性化が抑制されていることが判明し、論文としてまとめ受理、出版となった。 さらに、炎症が児に及ぼす影響のみならず、母体における病態解明および水素投与による影響について解析をおこなった。マウスにLPSを投与し、早産モデルを作成した。LPS投与群では、18.3±8.8 時間で分娩に至ったのに対し、水素投与群では、33.5±3.4 時間と有意な妊娠延長効果が認められたが、早産防止には至らなかった。cyclooxygenase-2の子宮での発現亢進の抑制がその機序のひとつとして考えられた。また、早産防止として海外でその効果が証明されているプロゲステロンについて、有意な上昇も認められた。これらの結果は、論文報告した。 臨床現場での効果としては、早産防止、妊娠期間延長効果は弱く、胎児の脳保護作用が期待される結果となった。 現在、MIAモデルが出生した、出生直後から5週齢までのマウスについて、大脳摘出し、ミクログリアを分離して、CD11cなどの各種活性化マーカーの発現について解析中である。これまで、MIAモデルにおいて、ミクログリア活性化については、活性化を認めるとする報告と認めないとする報告が多数あり、判明していない。今回、CD11cのマーカーについて検討しており、変化を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文受理されたこと、ミクログリアの活性化の検討の手法が安定化し、引き続き時系列で検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、分子状水素を用いて、胎児の肺高血圧にも効果があるか検討中である。こちらでの分子的機序の成果も統合し、さらに水素の作用について検討していく予定である。
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Research Products
(3 results)