2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K11237
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
金崎 春彦 島根大学, 医学部, 准教授 (10325053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折出 亜希 島根大学, 医学部, 講師 (00423278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 視床下部 / キスペプチン / GnRH / 下垂体 / ゴナドトロピン |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】視床下部GnRHニューロンは視床下部キスペプチンニューロンの支配を受けてGnRHを下垂体門脈に放出し、GnRHにより下垂体ゴナドトロピンLH, FSHの合成・分泌が促進される。視床下部キスペプチンは下垂体門脈中にも放出されゴナドトロピンを直接制御することが示唆されている。今回我々はゴナドトロピン産生細胞におけるキスペプチンとGnRH、そしてゴナドトロピン制御因子として作用するPACAPの相互作用について検討した。【結果】キスペプチンはゴナドトロピンα、LHbeta、FSHbeta;全てのサブユニットの転写活性を増加させた。キスペプチンとGnRHとの同時刺激ではそれぞれサブユニット発現はキスペプチンあるいはGnRHの単独の効果を増強しなかった。一方PACAPも全てのゴナドトロピンサブユニット発現を増加させたが、PACAPとキスペプチンとの同時刺激はキスペプチン及びPACAP単独の刺激効果を更に増強させた。キスペプチンとGnRHはSreプロモーター活性に対して相乗効果をもたらしたが、キスペプチンとPACAPはCreプロモーター活性に対して相乗効果をもたらした。キスペプチンはゴナドトロピン産生細胞におけるGnRH受容体及びPACAP受容体発現を増加させ、それぞれの受容体数の増加は、ゴナドトロピン産生能に変化をもたらすことが分かった。【考察】GnRH制御因子であるキスペプチンは特設的なゴナドトロピン促進作用を持ち、同時にGnRH及びPACAPの受容体発現を制御していると考えられる。キスペプチンによるゴナドトロピン発現作用はcAMP/PKA経路の活性化に伴い更に増強すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は視床下部キスペプチンの下垂体前葉細胞に対する直接作用について検討した。 GnRH制御因子であるキスペプチンは下垂体ゴナドトロピン産生細胞に対する直接作用を持ち、PACAPの様な情報伝達様式の異なるゴナドトロピン促進物質と共同でゴナドトロピンを直接合成する能力を持つほか、ゴナドトロピン産生細胞内のゴナドトロピン促進物質に対する受容体発現を制御することも分かった。 HPG axisの頂点に位置すると言われるキスペプチンの新たな作用機序を明らかにしたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
視床下部ARC領域のキスペプチンニューロン(KNDyニューロン)はNeurokinin B(NKB), Dynorphin A (Dyn A)を共発現し、エストロゲンによりキスペプチンの発現が減少するとされることからエストロゲンによるnegative feedback機構の中枢ではないかと考えられている。またKNDyニューロンはGnRHのパルス状分泌を発生させるパルス中枢としての役割を果たしているとされる。近年確立された不死化細胞株mHypoA55はKNDyニューロンと同様にキスペプチン、NKB、Dyn Aを共発現していることから、KNDyニューロンモデル細胞として使用できる可能性がある。本細胞がnegative feedback機構の中枢あるいはGnRHパルス中枢としての細胞機能を持つのかどうか検討したい。具体的には本細胞に対するエストラジオール及びプロゲステロンの影響をキスペプチン発現の観点から確認したい。
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Research Products
(5 results)