2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K11237
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
金崎 春彦 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (10325053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折出 亜希 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (00423278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | キスペプチン |
Outline of Annual Research Achievements |
Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)は多機能ペプタイドとして知られる視床下部因子である。下垂体ゴナドトロピン合成を促進する他、GnRHニューロンにおけるGnRH受容体発現にも関与する。キスペプチン(Kiss-1)ニューロンは視床下部弓状核(ARC)と前腹側室周囲核(AVPV)に位置し、それぞれGnRHのパルス中枢及びサージ中枢としてGnRH分泌を制御し、またそれぞれエストラジオール(E2)によるネガティブフィードバックとポジティブフィードバックの作用部位なっていると考えられている。今回PACAPのKiss-1ニューロンに対する作用について検討した。マウスARC領域由来のKiss-1発現ニューロンであるmHypoA-55細胞とAVPV領域由来のKiss-1発現ニューロンであるmHypoA-50細胞を用い、PACAP刺激後のKiss-1発現を定量PCRで測定した。PACAP刺激でKISS-1発現は両細胞において共に有意に増加した。PACAP受容体アンタゴニストであるPACAP6-38はPACAP作用を阻害せず単独でKISS-1発現を増加させた。両細胞においてPACAPによるKISS-1発現はPKA阻害剤H89で抑制された。PACAPはmHypoA-55細胞及びmHypoA-50細胞にも発現していた。mHypoA-55細胞(ARC)におけるPACAP発現はE2存在下で変化しなかったが、mHypoA-50細胞(AVPV)におけるPACAP発現はE2により著明に増加した。以上の結果よりPACAPはキスペプチンニューロンを制御しうる。PACAPのE2に対する反応が両細胞で異なることから、PACAPがE2によるフィードバック機構に関与している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
視床下部ー下垂体ー性腺軸における女性内分泌の制御機構、特にエストラジオールによるフィードバック機構に関して研究を行っている。PACAPに関する本研究結果は、PACAPがキスぺプチ発現を制御し、またエストラジオールによるポジティブフィードバック機構に関与する可能性を示唆している。
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Strategy for Future Research Activity |
PACAPのみでなく、エストラジオールによるフィードバック機構にはCRHやニューロテンシン、RFRP3など、他の視床下部因子が関与しているものと思われる。 引き続きこれらニューロペプタイドにおける相互作用を含めて検討を行う予定である。
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Research Products
(5 results)