2018 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーを用いた菌叢解析による感染型不育症の病態解明と治療法の確立
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17K11244
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
北折 珠央 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (40444989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 真弓 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30264740)
尾崎 康彦 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50254280)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 不育症 / 菌叢解析 / 感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は菌叢解析の検体取集と実際のシークエンスを進めていくことができた。 当院で多く症例が集まる不育症患者に対して外来にてインフォームドコンセントを得て非妊時、妊娠時それぞれの腟分泌物液、頸管粘液を採取しDNA抽出、ライブラリー調整を進めて新たに83検体について次世代シークエンサーを用いてシークエンスを行うことができた。これで不育症患者に関しては前年度からの合計122検体(うち非妊時96検体、妊娠時26検体)がシークエンスできたことになる。 またコントロール検体となる健常女性の検体については名古屋市立西部医療センターにて採取する予定であったが対象患者が少なく予定したペースで症例数が収集できない状況であったため、名古屋市立大学病院でも検体を採取することにした。大学病院という特性上健常女性は少なく採取に時間を要したが、38検体(うち非妊時12検体、妊娠時26検体)をインフォームドコンセントを得て採取することができた。それらのコントロール検体についてもDNA抽出、ライブラリー調整しシークエンスを行った。このようにして患者群、コントロール群と昨年度完了した検体合わせ合計160検体収集を終了した。 当該年度に新たに解析にとりかかった120検体についてはすべて同時にシークエンスを行った。データ量が莫大であるため、1次解析(シークエンスして得られたデータを菌と同定する解析)はまだ終了していない。1次解析が終了次第、主成分分析などを行い検体間での解析、検証を行い論文発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コントロール検体の採取に関して想定外に時間を要した。名古屋市立西部医療センターでの検体採取を予定していたものの対象となる患者が想定以上に少なかったことや検体採取の体制がうまく整わず、コントロール検体5検体時点でペースが遅いと判断し、早急に名古屋市立大学病院でもコントロールの採取ができるよう体制を整え採取を開始した。しかしながら大学病院である特性からコントロールとなる検体は少なく33検体採取するまでに約5か月を要した。検体採取が完了してからは早急に実験を進めなんとかシークエンスまで完了することができた。 また患者群の検体において、ライブラリー調整した結果濃度が薄くなってしまう検体があり、上手くシークエンスをかけるための再調整に難渋したため時間を費やしてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で患者群122検体、コントロール群38検体がシークエンス済みである。 コントロール検体については想定外に検体収集に時間を要したため当初の目標としていた検体数に達していないが、採取できた38検体に縮小し実験を進める予定としている。 一次解析が終わっていない120検体は元京都大学霊長類研究所、現北海道大学大学院環境科学院の早川卓志先生に引き続き協力を仰いで、一次解析が完了し次第、主成分分析などの解析を進め不育症に特異的な菌や菌叢を同定していく予定である。そして結果をまとめ2019年度中の論文発表を予定している。
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Causes of Carryover |
コントロール検体の収集に時間を要したためH30年度に終了する予定だった解析ができず、H31年度に行うこととなった。1次解析を行わなかった分の費用が、次年度使用額として残っている。H31年度に解析のための消耗品購入や学会発表の参加費や旅費、論文投稿のための諸費用などに使用することを予定している。
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