2020 Fiscal Year Research-status Report
Prediction of preeclampsia using circulationg levels of Galectin-1 and HSD17B1 in the first trimester
Project/Area Number |
17K11247
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
大口 昭英 自治医科大学, 医学部, 教授 (10306136)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 妊娠高血圧腎症 / 妊娠初期 / 発症予知 / バイオマーカー / 胎盤蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、市販されたHSD17B1のELISAキット(Biomatik社)について、保存されていた妊婦の血漿80例を用いて予備実験を行った。測定限界未満の症例が多く、このキットではHSD17B1の測定は難しいと判断した。 2018年度は,妊娠初期妊婦80例についてBioVender社のELISAでHumanPlacental Protein 13を測定した.妊娠初期のPP-13濃度の平均値に比較して,妊娠37週前後のPP-13濃度の平均値がおよそ2倍を示したことから(Freitag et al. Proc Natl Acad Sci U S A 2013),以後の予知研究で使用することにした. 2019年度は、800例(内、予後不明の90例を除く、単胎621例、双胎89例)の妊娠初期症例を用いてGal-1を測定した.単胎妊娠621例において、妊娠初期のGal-1>=95%タイル値、及び、Gal-1>=90%タイル値は、PE発症のハイリスク因子であった。しかし、双胎例ではGal-1はPE予知のリスク因子ではなかった。 2020年度は、同800例の妊娠初期症例を用いてPP-13を測定した。また、市販のELISAキットを用いて測定したPP-13は、単胎に比べて双胎で有意に高値を示した。しかし、単胎、双胎いずれにおいても、PP-13はPE発症と関連を認めなかった。この結果は、妊娠初期のPP-13はPE発症の予知マーカーではなかったとするDi Lorenzoら、Ceylanら、Seravalliらの結果を支持するものであった(Di Lorenzo, et al. Placenta 2012; Ceylan, et al. J Obstet Gynaecol 2014; Seravalli, et al. J Perinat Med 2016)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
妊娠初期の800例について、Gal-1、PP-13を測定した。 症例はCOVID-19のために研究中止期間が発生したため,最終年度までに当初測定目標であった1500例に到達するのは難しい。そこで、既に800例についてデータが揃っているため、2021年度は、800例の試料を用いて予知モデル(Gal-1, PlGF, 血圧の3つの因子を用いる)を作成する予定である。当初計画していたPE予知モデル(上記に加えて、BMI、既往PE、子宮動脈血流速度波形を合わせたモデル)、また、preterm PE予知モデルを作成するには、もう少し症例の蓄積が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
症例はCOVID-19のために研究中止期間が発生したため,最終年度までに1500例に到達するのは難しい。そのため,2019年12月までに採血できた800例について検討し,Gal-1, PlGF, 血圧値の3つの因子のみを用いたPE予知モデルを作成する. なお、妊娠初期情PEPE既往歴、BMI、子宮動脈血流速度波形異常)も組み込んだ,5つ以上のリスク因子を用いた早発型(<34週未満発症)妊娠高血圧腎症,早産期発症(<37週未満発症)妊娠高血圧腎症の発症予知モデルの開発は、800例では困難であり、本研究が終了後も症例集積を継続し、症例数が1500例に達した段階で、解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
ELISAキットを購入したが、端数が発生したため、次年度の研究費に充てることにした。
|