2017 Fiscal Year Research-status Report
日本人のRhD陰性の遺伝子型の探索:母体血からの胎児RhD血液型診断法の確立
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17K11253
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
那須 美智子 昭和大学, 医学部, 助教 (00750457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関沢 明彦 昭和大学, 医学部, 教授 (10245839)
川嶋 章弘 昭和大学, 医学部, 助教 (10783376)
青木 弘子 昭和大学, 医学部, 助教 (60465127)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RHD / 血液型不適合妊娠 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、本邦におけるRhD陰性のRhD遺伝子欠失の割合とRHD遺伝子変異の推定を目的とした。RhD陰性のサンプルに対してExon8.10の有無を確認し、Exon8のみ(RHCEと同一の配列のためinternal controlになる)バンドを検出したものと、Exon8.10を検出したものに区別した。前者はRHD*01N.01を持つと仮定し、後者はさらにExon7.9及びc.1227G>Aを調べ、RHD*01EL.01とRHD*01N.04(その他のhybrid alleleの可能性も極わずかある)の区別を行った。この検討により90%の本邦におけるD陰性の妊婦における確認が可能であることが示された。また、Hybrid RH boxはRHD*01N.01の存在証明になるため、全てのサンプルに対してHybrid RH boxの確認を行った。またc.1227G>Aを持つと判定したサンプルに関してはDirect sequenceを行いpoint mutationの存在を確認した。c1227G>Aはアジア人種に最も頻度が高いとされるalleleであり、Exon9のスプライシングアウトを生じさせるsilent mutationである29)。c1227G>A変異のpositionはRHD遺伝子上であるが、RHCE遺伝子との相同性の高さから、両方の領域を同時に増幅させるPrimer setを作成しinternal controlとして用いた。そして増幅された領域に含まれる3つの多型からRHD遺伝子とRECH遺伝子を区別することが可能であった。点変異を持つ母体の出生前診断の報告は少ないが、欠損型を含めて99%の妊婦において母体血によるcellーfree DNAを用いて次世代シーケンサーでも診断が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究では、日本赤十字社の献血を100例を用いて、本邦におけるRhD陰性の血清型における遺伝子型につき、その割合が既報告と同程度であることが確認された。確認した100例の血清のうち99例の遺伝子多型については、cell-free DNAを用いてその多型を同定することが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度において確認された欠損とSNPを検索するために次世代シーケンサーを用いて、RhD陰性の妊婦におけるcell-free DNAに対して施行していく。
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Causes of Carryover |
次世代シーケンサー解析のための試薬購入を追加で購入する必要があり、次年度に合算し購入する必要があったため次年度使用額として残った。次年度使用額については平成30年度における試薬購入経費に充てる。
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